ポスティングよりも低コストで素早く撒くことができる新聞折込チラシ
こんにちは。ラクスル株式会社 エリアマーケティング事業部の松本拓隼と申します。前回は「情報過多の時代に有用なエリアマーケティングの可能性」をテーマに、外食大手のワタミ株式会社が手掛ける「から揚げの天才」のポスティング広告事例をご紹介しました。ローカルに効くポスティング広告の有用性や、デジタルマーケティングのように販促効果の可視化を図る取り組みがおわかりいただけたかと思います。
紙媒体によるオフライン販促は、広告効果を見える化することが難しいとされてきましたが、から揚げの天才の事例では二次元コードをフル活用することで顧客の行動履歴を可視化することができました。店舗ごとに異なる商圏を持ちながらも、二次元コードのアクセスログから「どのエリアに住む顧客が、どのような情報に興味関心を示すのか」といったニーズの把握を実現し、ウェブ広告のような効果検証を可能にしたのが前回の事例の大きなポイントです。
従来は、チラシを撒いてもどのくらいの反響があったのか具体的な数値を導き出すことは難しい状況でした。しかし、これらをデジタルの力を使って数値化すれば、販促施策のPDCAサイクルをスムーズに回すことができます。また、知見や経験値の蓄積にもつながるため、勝ち筋を見出すことも容易くなるでしょう。顧客に届けるアウトプットはアナログでも、デジタルとの掛け合わせでエリアマーケティングの広告効果は十分に発揮することが可能です。
今回は、同じエリアマーケティングでも、新聞折込チラシを使った事例を取り上げたいと思いますが、まずはその前に「新聞折込チラシ」と「ポスティング」の違いについて説明しましょう。
新聞折込チラシは、新聞というメディアが長年の歴史によって培ってきた「信頼性の高さ」が大きなメリットであると言えます。自ら選んで購読している新聞に折り込まれているチラシは、ポストにおもむろに届くポスティングやDMと比べて、一定の安心感を持って目を通してくれる可能性が高まります。また、「新聞に折り込まれているチラシなら、確かな情報に違いない」という印象を顧客に与えることもできるでしょう。自社の商材が新聞購読者の顧客セグメントと合致していれば、新聞折込チラシは非常に有効な販促手法であると言えます。
一方、ポスティング広告は市区町村よりもさらに細かい町丁目単位でのセグメントが可能です。地域や顧客属性に合わせて、細かなアプローチができる点は最大のメリットと言えます。たとえば、自社の商材とマッチしそうな顧客やアプローチしたい世帯が固まっている地域などを配布エリアとして定めれば、的確にブランド認知や需要喚起につなげることが可能です。
価格の視点から比較すると、どの地域においてもポスティングより新聞折込チラシのほうが「素早く撒けてコストも安い」という特徴があります。その理由としては、新聞折込チラシは各地域の新聞配達のルートに沿って購読者の元に届けられるため、チラシ配布業者が個別に届けるポスティングよりも迅速かつ工数を抑えて配布できるからです。
とくに郊外になればなるほど価格差は著しくなり、一軒家が多い地域にポスティングをする場合は新聞折込チラシよりも割高な傾向が高まります。参考までにラクスルでの価格を明示すると、ポスティングは1,000部の最安条件が7,900円であるのに対し、新聞折込チラシは1,000部の最安条件が6,200円となっています(2022年10月時点)。前出した例でも2割以上、場合によってはそれ以上のコストの差が生じるとなると施策の数が積み重なるほど差額は大きくなります。
前出した価格は、もちろん印刷の仕様や配布条件などによっても変動します。新聞折込チラシとポスティングどちらが良いかを考える際には、こうした特徴と自社が打ち出したい商品・サービス特性とのかけ合わせで判断すると良いでしょう。どちらが有効かは、実際にやってみなければわからない部分もあるため、前回紹介したような二次元コードの掲載など、効果検証を実現するための仕組み作りも欠かせません。