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2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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KOLとは?インフルエンサーとの違いや選び方・注意点をわかりやすく解説


 KOLとは、市場における専門性と影響力を兼ね備えた人物のことです。海外で自社の商品やサービスを販売しようとする場合などにKOLの協力を得ることで、短期間での目標達成やブランド認知拡大などが期待できます。 今回はKOLの基本的な特徴や選び方、ポイントなどを紹介します。

 KOLとは、専門性を備えたインフルエンサーのような立ち位置の人を指します。特に中華圏で大きな影響力を持つところがあり、消費者が商品やサービスを利用する際の購入意思決定に影響を与えています。

 この記事では、KOLの基本的なポイントや依頼をするときの注意点などを詳しく解説します。

KOLとは?

colorful arrows pointing to the word KOL

 KOLを上手に活用するには、まず基本的な部分をおさえておく必要があります。ここでは、インフルエンサーとの違いも含めて解説します。

KOLの定義と中華圏で重視される背景

 KOLは、「Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」の略称であり、東アジア圏を中心に広まっているマーケティング手法のことを指します。もともとは医療業界で使われることが多い言葉でしたが、「知識が豊富で権威性があり、影響力のある人物」をKOLと呼ぶようになりました。

 Weibo(ウェイボー)など中華圏で主流のSNSに影響力のあるユーザーを表すため、中国版インフルエンサーなどとも呼ばれることがあるのが特徴です。

 KOLが東アジア圏に浸透していった理由に、中国独自の文化的背景が存在します。

 まず中国では通信の監視や接続規制などを行っている、金盾(きんじゅん/グレート・ファイアウォール)と呼ばれるシステムが稼働しているため、メディアや広告に対する信頼度があまり高くありません。

 また、農村社会を背景とした圏子(チェンツ)と呼ばれる地域圏・文化圏のコミュニティが下地にあり、中国では従来、国やマスメディアが発信する情報よりも、身近な存在からの口コミのほうを信用する傾向があります。

 このように中華圏でKOLが支持される下地が整っていたところに、「WeChat」「Weibo」などのプラットフォームが台頭し誰でも気軽に情報を発信できるようになった結果、KOLはマーケティングにおける有力な手法のひとつとなったのです。

KOLとインフルエンサーの違い

 SNSなどインターネットを通じて影響力を与えるという点では、KOLとインフルエンサーには類似点がありますが、専門性の有無という点において明確な違いがあります。

 インフルエンサーは大きな影響力はあっても、特定の分野に精通しているわけではなく、いわば素人的な立ち位置からユーザーと接します。

 一方、KOLは特定の分野において詳しい専門性を備えているのが特徴であり、ユーザーから寄せられる質問にも積極的に回答していくところがあります。

 企業にとっては特定のジャンルに専門性を持ち、ユーザーからの信頼の厚いKOLを起用するほうが、より商品の信頼性を高められるといえるでしょう。

KOLに自社製品・サービスを紹介してもらうメリット

「MERIT」「DEMERIT」と書かれた積み木

 KOLの基本的なポイントをおさえたら、次はメリットについても把握しておきましょう。ここでは、KOLに自社製品やサービスを紹介してもらうことで、どのようなメリットを得られるのかを解説します。

商品の信頼度を高められる

 特定のジャンルに強く、専門性の高いKOLが商品やサービスを紹介することで、消費者が安心して購入できるようになります。KOLは消費者との距離が近く、商品やサービスについて質問があれば、専門的な知識をもとに回答するという特徴があるため、自社商品に対する消費者からの信頼度を高めながら、販売につなげることができるでしょう。

認知度が高まりやすくなる

 影響力のあるKOLが商品やサービスを紹介することによって、認知度が一気に高まることが期待できます。新商品などまだ市場での認知度が低いものを売りたいときに、KOLを起用することで多くの方に商品を知ってもらえるチャンスが増えるのです。

海外進出へのハードルを下げられる

 企業が海外で新たな市場を開拓しようとするときは、多くの時間やコストがかかるものです。実際に展開を行ってからも、国内市場と勝手が違う場面や、ユーザーの反応が想定と異なる場面もあるでしょう。

 KOLは前述のとおり、文化的背景から東アジア圏で広まっている販促手法のひとつです。現地のターゲットに親しまれているKOLに依頼することで、心理的に自社商品を受け入れられやすい土壌を作ることができます。海外進出のハードルを大きく下げることができるため、特に中華圏での進出を考えている企業におすすめの手法といえるでしょう。

KOLを選ぶときのポイント

business people brainstorming

 次に、どのような基準でKOLを選べばよいかについて解説します。

自社のブランドや商品・サービスに合ったKOLを選定する

 KOLにはさまざまなジャンルの人がいるので、投稿内容と自社のブランドや商品・サービスのカテゴリがきちんと合っているかを事前にチェックしておきましょう。

 有力なKOLほど積極的にSNSなどで情報発信を行っているので、まずはどのような情報を日々発信しているのかを確認することが大事です。

ターゲットとKOLのファンを一致させる

 KOLのジャンルや投稿内容と自社のブランドや商品・サービスのカテゴリが一致していることを確認できたら、次に、KOLのファンと商材のターゲット層がマッチしているかも確認しましょう。

 同じジャンルの商品であっても、ユーザーのニーズが細分化されている市場ではしっかりとターゲティングを行わなければ成果に結びつきにくいといえます。KOLのフォロワーなどをチェックして、自社の顧客となり得る人たちかどうか確認してみましょう。

KOLの影響力を事前にリサーチしておく

 KOL選定時は単にフォロワー数だけで判断せず、投稿の表示回数や「いいね」が押された数、シェア数などのインプレッションを確認しておくことが重要です。

 ユーザーからポジティブな反応が多いKOLであれば、自社の商品やサービスを紹介してもらったときの反響も大きくなるでしょう。どの程度の影響力があるかをよく見極めたうえで選んでみてください。

KOLに依頼を行う方法

business offer or invitation

 KOLに興味を持っても、どのようにコンタクトをとればいいのか分からないこともあるでしょう。ここでは、KOLに依頼する際の具体的な方法を紹介します。

直接KOLに依頼を行う

 まず自社でKOLを探して、直接依頼を行う方法があります。KOLは積極的に情報発信を行っているので、インターネットを使えば世界中のさまざまなKOLを見つけられるでしょう。

 しかし直接コンタクトをとる場合は、当然ながらすべてのやりとりを自社で行う必要があります。そのため、身近な関係にあるKOLがすでにいる場合や、社内に語学が堪能なスタッフがいる場合などに有効な手段だといえます。

キャスティング代行サービスを利用する

 KOLへの依頼をスムーズに行いたいと考えるなら、キャスティング代行サービスを利用してみるのもひとつの方法です。KOLを通じたマーケティングに関するノウハウが蓄積されているので、時間や手間を省力化できるだけでなく、失敗するリスクを避けられるでしょう。

 特に初めてKOLに依頼するような場合は、手順が不明なだけでなく、相場や効果測定などの面で評価指標がなく妥当性を判断できないこともありますので、代行サービスへの依頼は有力な選択肢です。

 ただし、代行会社によって提供しているサービス内容やサポート体制は異なるので、注意が必要です。はじめから1社に絞り込んでしまうのではなく、複数の会社を比較・検討しながら自社に合ったところを探してみてください。

KOLに依頼するときの注意点

Warning Concept

 では、どのような点に注意すべきか解説します。

一定のコストがかかる

 KOLに自社の商品やサービスを紹介してもらう場合、報酬の支払いが発生します。キャスティング代行サービスを利用する場合は、KOLへの報酬以外の諸費用も必要になるので、どれくらいの予算が組めるのかを事前に検討しておきましょう。

 影響力のあるKOLに依頼をしようとすれば、その分だけ支払うコストは高くなりがちです。はじめから大きな予算を組むよりも、少しずつ試して反響を見ながら予算規模を広げていくほうがリスクは抑えられるでしょう。

コミュニケーションの手順を踏む必要がある

 KOLに協力依頼をしたとしても、成果が出るまでにはそれなりの時間を要します。消費者が商品やサービスの購入に至るまでには、一定の手順が必要だからです。

  ユーザーとのコミュニケーションの手順としては、「認知→関心→議論→購入→シェア」といった段階を丁寧に踏んでいくことが大切です。ユーザーと信頼関係を築くからこそ、最終的な購入につながる点を忘れないようにしましょう。

 KOLにすべてを丸投げしてしまうのではなく、自社としてもどのような戦略で宣伝、購入につなげていくかを考えることが肝要です。

KOLの普段の発言内容をチェックしておく

 KOLの候補が決まったら、日頃の発言内容を必ずチェックしておきましょう。よくも悪くもKOLの影響力は大きなものがあるので、思想や発言が自社のブランドとマッチングしているかを継続的に検証することが大切です。

 得意とするジャンルや情報ソースの信ぴょう性、ファンの反応などを細かく確認してみましょう。 また、KOLであればどのメディアでも得意というわけではないので、どのような媒体で影響力を発揮できるKOLなのかを見定めることも重要です。

不正行為がないか確認する

 誰でも情報を発信できる世の中だからこそ、KOLの選定は難しくなります。本当に実績のあるKOLなのかあらかじめ確認し、依頼後も不正行為がないかチェックすることが大切です。KOLに商品やサービスを紹介してもらったら、自社でも投稿内容を確認してみましょう。

 シェア数やコメント数などをチェックして、不正行為が行われている形跡がないかを確かめてみてください。発信する情報に気を配って、リスクマネジメントをしっかり行うことが大事です。

素直にプロを頼ることも大切

 KOLの選定から効果検証までをすべて自社で行うとなると、特に初めてのKOL起用ではすべてが手探りになるため、失敗することも少なくありません。そのため、対象国の状況や目標などに応じてKOLに精通したプロの力を頼るのもひとつの有効な手段といえます。

 特に進出したい地域で豊富な実績のあるキャスティング代行サービス会社であれば、豊富な情報やノウハウを持っているため、気になる点を質問したり、戦略を相談したりすることで理解を深めることができます。 プロのサポートを受けながら、KOLや顧客と良好な関係を築いていきましょう。

まとめ:KOLの特徴を理解して自社に合った施策を行おう

 KOLとはおもに、中華圏で影響力を持っている専門性の高いインフルエンサーのような人を指します。効果的に起用することで自社の商品やサービスの認知度を高めたり、販売につなげるきっかけを作ったりすることが可能です。

 KOLを活用するには、キャスティング代行サービスを利用すると便利です。複数のサービスを比較・検討し、自社のターゲット層に合ったファンを獲得しているKOLを探してみましょう。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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