ネットショップを手軽に始めてみたい場合、BASEを使ってみるのもひとつの方法です。BASEとはネットショップの作成・運営のためのサービスで、初心者でも使いやすい機能が豊富に備わっています。また、利用料金も比較的低めに設定されている点が特徴です。
機能やサービスの仕組みを理解することで、販路を広げるきっかけになるはずです。この記事では、BASEで商品を販売するときにおさえておきたいポイントを解説します。
BASEとは?
BASE(ベイス)は、ショップ開設数170万店舗以上を誇るネットショップ作成サービスです。ネットショップの開設や運営に必要な機能が備わっているため、手軽に活用できます。
初期費用や月額費用は無料で、特別なPCスキルを必要としません。1時間程度あればネットショップの開設が可能で、まずはネットショップを始めてみたいという方におすすめのサービスです。
基本的に無料で利用できるサービスですが、ショップの運営に困った際などはチャットによるオンラインサポートを受けることもできます。
また、ネットショップの運営に必要な情報を提供するセミナーも多数開催されており、販売チャネルの集客支援などにも積極的です。
ネットショップを開設してからも学べる仕組みが整っているので、初心者でも安心して利用できるサービスといえるでしょう。
BASEが備えている基本的な機能
BASEにはネットショップを始める際に必要な多くの機能が備わっていますが、ここではおもな3つの機能を解説します。
それぞれの機能の特徴をおさえて、効率良くネットショップを開設しましょう。
豊富なデザインテンプレート
BASEには、手軽にネットショップを開設するためのデザインテンプレートが豊富に用意されています。
無料のハイクオリティなテンプレートがいくつも用意されていて、ショップや商品のイメージに合わせてデザインをカスタマイズすることが可能です。
またBASEデザインマーケットで、クリエイターが作成したオリジナルのテーマを購入することもできます。他店との差別化を図れるのでうまく活用してみましょう。買い切り形式となっているので、一度購入をすれば何度でも使用することができます。
BASEかんたん決済
BASEで利用できる決済方法は「BASEかんたん決済」です。
EC開設時に自前で決済システムを用意する場合、決済を代行する会社と契約を結んだり、審査を受けたりする必要があるため、ネットショップの開設までに時間がかかることもあります。一方、BASEかんたん決済ならば、専用フォームを通じて申請を行うだけで利用可能です。
クレジットカード決済やコンビニ決済、銀行振込など7種類の決済方法に対応しており、顧客に対してさまざまな決済方法を提示できます。
Apps(拡張機能)
BASEはネットショップ開設や運営に必要なおもな機能が初めから備わっていますが、しばらく運営していくうちに自分好みのネットショップにカスタマイズしたいと考えることもあるでしょう。
BASEには独自開発した「Official Apps」のほか、他社と連携して開発した「Connect Apps」が用意されており、これらのApps(拡張機能)を活用することで独自性のあるショップ運営が可能となります。
送料無料の設定や割引クーポンの発行、外部SNSとの連携などさまざまなAppsが用意されているので、必要に応じていつでも機能を追加できます。
Appsを上手に活用することで、さらに幅広い販売活動が行えるはずです。
BASEの利用料金
次に、BASEの料金体系について解説します。
初期費用・月額費用は無料
BASEの利用料金についてですが、初期費用や月額料金などはかかりません。ネットショップの制作費用やサーバーの契約費用、利用料などが必要ないので初心者にもうれしい料金体系だといえるでしょう。
また、ネットショップを始めるにあたって、初期費用やランニングコストを抑えられるので、リスクを回避しながらスタートできます。
決済手数料とサービス手数料はかかる
BASEは多くの費用項目が無料となっていますが、決済手数料とサービス手数料、売上金の振込手数料はかかるので注意が必要です。
たとえば、ユーザーがBASEかんたん決済を利用して商品を購入すると、注文ごとに売上の3.6%+40円がかかる仕組みになっています。さらに、サービス利用料(送料を含む合計額)として3%の負担が発生します。
売上件数や金額によって手数料は毎月違ってくるので、予算管理を適切に行っていくことが大切です。とはいえ、商品が実際に売れた分にだけ手数料がかかる仕組みであるため、固定費を気にせずに済むというメリットもあります。
また、売上金をショップの指定口座にBASEから振り込んでもらう際は、振込申請ごとに振込手数料250円が必要です。さらに、振込金額が2万円未満の場合には500円の事務手数料がかかります。
売上金をどのタイミングで回収するかも含めて、毎月の運営収支を管理しましょう。
BASEでネットショップを開設する方法
BASEの仕組みを理解したら、どのような手順で開設すればいいかを把握しておきましょう。手順を踏めば、誰でも簡単にネットショップを開設できるのがBASEの魅力です。
会員登録のやり方
BASEでネットショップを開設する際は、まず会員登録を行う必要があります。登録にあたって入力が必要なものは、メールアドレス、パスワード、ショップURLの3つです。
メールアドレスはフリーメールでも可能ですが、顧客からの問い合わせが届かない可能性もあるので、メールの受信に問題が生じないメールアドレスを登録しておきましょう。パスワードについてはセキュリティ面から推測されにくいものを設定し、定期的に変更することが大事です。
そして、注意が必要なのがショップURLです。ショップURLは一度登録を完了させると後から変更ができないものなので、登録の際は慎重に検討をする必要があります。URLの文字制限はローマ字入力で3文字以上12文字以内であれば自由に登録できますが、ショップ名と一致させるなど工夫が必要です。また、URLの後ろに付くドメインについては11種類から選べます。
すでに独自ドメインを取得している場合は、登録後に「独自ドメインApp」を使うことで使用したいドメインを設定できます。
必要な項目を入力したら、利用規約を確認のうえ「利用規約に同意する」にチェックを入れて、「ショップ作成」をクリックしましょう。登録したメールアドレスに新規登録のお知らせが届くので、認証を済ませると会員登録が完了します。
ショップに関する情報を登録しよう
BASEの会員登録を済ませたら、「特定商取引法に基づく運営者情報の登録」と「決済方法の選択」を行う必要があります。ショップの運営者を登録することは法律によって定められているものであり、ユーザーに安心して購入してもらうためにも正確な情報を登録しましょう。
BASEにおける特定商取引法に基づく運営者情報の登録に必要な項目は、次の9項目です。
- 区分(個人事業主・法人)
- 事業者の氏名
- 事業者の所在地
- 事業者の連絡先
- 営業時間、ショップ情報など
- 販売価格(価格に関する案内文)
- 代金の支払い方法、時期(支払い発生のタイミング)
- 商品のお届け時期(商品引き渡しに関する詳細)
- 返品について(返品・交換・キャンセルについての記載)
決済方法については、BASEかんたん決済で利用できる7種類の決済方法の中から、利用したいものを選択します。「決済方法の設定」で決済方法を選び、利用申請のページで必要項目を入力して「保存」をクリックすれば、申請後すぐにBASEかんたん決済の利用が可能です。
BASEかんたん決済の利用申請に必要な入力項目のなかには、屋号を入力する箇所があります。これは、ユーザーがカード決済を利用した際に明細書に記載される名義のことです。
屋号を入力しない場合はデフォルト設定で「ベイス」と表示されますが、好きな屋号名を表示することも可能なので、利用目的に合わせて選んでみましょう。
登録後は、ショップ設定ページのショップカテゴリの選択ボックスでもっとも多く取り扱っている商品のカテゴリを選びます。適切なカテゴリを設定することで、商品の検索をされやすくなるのでショップで取り扱う商品に最も近いものを選びましょう。
ショップに関する情報を登録することで、商品登録やデザインテンプレートの変更などが行えるようになります。 ショップの運営に関する準備が完了したら、必要に応じてカスタマイズしてみましょう。
BASEを有効に活用するための注意点
BASEにはネットショップを行ううえで魅力的な仕組みが整っていますが、運用していくにあたり気をつけるべきポイントもあります。 ここでは、どのような点に注意すべきかを解説します。
効果的に集客するには自分でも取り組むことが大事
BASEはネットショップの開設が初めての方であっても、必要な機能が最初から備わっているので、手軽に作ることができます。しかし、集客に関しては自分なりの工夫も必要です。
公式アプリ内での集客はBASEが行ってくれるものの、全体的な集客効果としては限定的です。BASEにはブログ機能や外部SNSとの連携機能などが備わっているので、それらを活用しながら集客に地道に取り組んでいくことも重要です。
SNSで取り扱っている商品を宣伝し、ファンを獲得することで売上につなげているショップも多くあります。
また、より多くの方にショップへ訪れてもらうためには、サイトのSEO対策も重要です。ターゲットとする顧客層がどのような検索キーワードで商品を探すのかをリサーチしておきましょう。
GoogleサーチコンソールやGoogleキーワードプランナーを使えば、取り扱っている商品に関連したキーワードを手軽に調べられるので、上手に活用していくことが大切です。
売上があがるほどコストがかさむ
BASEでは前述のように、売上1件ごとに一律の手数料がかかります。販売数が多くなってくると、手数料の負担が気になってしまう場合もあるでしょう。
ショップの運営状況に応じて、固定月額費用のサービスを利用したほうが経費を抑えられることもあるので、適宜最適な利用形式になるよう調整しましょう。
まとめ:BASEの基本的な仕組みを理解してネットショップを立ち上げよう
BASEは多くの個人や企業が使っているネットショップサービスです。初めて利用する場合でも簡単に使える仕組みとなっているため、まずは気軽にネットショップを始めてみたいという方におすすめです。
基本的な特徴や手数料などの仕組みをおさえたうえで、販売する商品にあわせたネットショップを開設し、商品の販売につなげてみましょう。