SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

今さら聞けないEC知識

ECサイトは無料で作れる?おすすめのサービス・ツールを紹介


 一般的にECサイトを構築する際は多大な費用がかかります。しかし、なかには無料でECサイトを構築できるサービスやツールもあるので、うまく活用していくことが大切です。 今回は、ECサイトを無料で始める際の注意点や具体的なサービスなどを紹介します。

 ECサイトを初めて立ち上げようとするときには、何から手を付ければいいか迷いがちです。また、ECサイトを作成するのにどれくらい費用がかかるのか、不安になることもあるでしょう。ECサイトは取り組み方によっては無料で構築することも可能です。 この記事では、ECサイトを作成する方法や注意点、おすすめのECサイトなどを解説します。

低コストでECサイトを作成する3つの方法

 コストを抑えながらECサイトを作成する方法には、ASP、オープンソース型のCMS、クラウド型のCMSなどの種類があります。 ここでは、これら3つの特徴について解説します。

1. ASP

 ASP(ASPカート)は「Application Service Provider」の略称であり、ECサイトに必要なショッピングカート機能を提供するシステムのことです。 クラウド上で提供されるアプリやサービスをレンタルする形式で導入するため、常に最新のシステムを利用することができます。

  サービスによっては初期費用がかからないものもあり、サービス提供元がECサイトの構築や運営に必要なサーバーを用意してくれるため、サーバーのンテナンスのためのコストなども不要です。

  その反面、カスタマイズ性ではほかに劣ることもあります。提供元が用意するサーバーを活用するため、独自の決済方法を追加したり、サイトのデザインにこだわったりしたい場合、必ずしも希望どおりに変更できない可能性があるため注意が必要です。

  ただし、プランによっては高いカスタマイズ性を備えたものもあるので、独自性が必要な場合は調べてみましょう。

2. オープンソース型のCMS

 CMS(Contents Management System)とは、Webサイトに必要なコンテンツの作成や管理などを一元的に行えるシステムのことです。

  オープンソース型のCMSとしてはWordPressなどが有名で、ソースコードが一般公開されているので、ユーザーはWebサイトを自由に編集できます。サイト作成も簡単で、ASPよりもカスタマイズ性に優れているといえるでしょう。 デザインのテンプレートやプラグインなどもシステム内でインストールできるので、手軽にECサイトを始めることができます。

  デメリットとしては、サーバーやドメインなどを自社で用意する必要がある点が挙げられます。また、HTMLやCSSなどの知識が必要になる場面もあるため、専門知識を持っているスタッフが社内にいない場合、運用に戸惑うこともあるでしょう。

3. クラウド型のCMS

 クラウド型CMSは、ホームページ作成のためのWebサービスのことですが、ECサイトの構築も可能です。初期費用やサーバー準備が不要なので、まずはECサイトを手軽に始めてみたいという企業に向いています。

  しかし、先述のASPと同様に、デザイン面などのカスタマイズ性には多少の難点があることや、ECに特化していない点などには注意が必要です。

本当に料金はかからない?無料版の注意点

  初期費用をかけずにECサイト構築しても、運用段階に入るとさまざまな費用がかかることも少なくありません。 ここでは、ECサイト構築サービスを活用する際の注意点を見ていきましょう。

完全に無料というわけではない

 初期費用無料のサービスは多くありますが、完全に無料で運営できるECサイトはほとんどないため、最低限のコスト負担は必要と割り切る姿勢を持つことも重要です。

  たとえばASPの場合、販売手数料が一定割合で発生するものもありますし、オープンソース型のCMSの場合はサーバーやドメインなどの使用料金がかかります。 また、決済時の手数料なども発生してくるので、トータルコストを事前にシミュレーションしておくとよいでしょう。

サービスの自由度は低くなる

 無料でECサイトを構築できるサービスの場合、どうしてもサービス内容に制限がかかってきます。登録商品の点数や利用可能な決済方法の制限などがその例です。

 また、無料サービスの場合は広告表示がともなうこともあるため、必要に応じて有料版に切り替えるといった対応策も必要でしょう。さらに、サイトのURLもサービスの提供元が指定するサブドメインとなる場合があるので、注意が必要です。

 無料で利用できるサービスはあくまでトライアル版といった意味合いが強く、一定の制限がかかってきます。そのため、無料版で使い心地を確認してみて、気に入ったサービスは有料版に切り替える、といった考えで向き合うことをおすすめします。

セキュリティ対策は自前で取り組む必要がある

 常時Webに接続している状態のECサイトの場合、セキュリティに関するリスクに注意が必要です。 ASPやクラウド型のCMSの場合、サービスの提供元によって一定のセキュリティが担保されていますが、オープンソース型の場合は自社で一から取り組む必要があります。

 ECサイトでは個人情報を取り扱う場面が必ず出てくるので、ユーザー側もECサイトのセキュリティレベルに関して高い関心を持っているといえます。顧客目線に立って、必要なセキュリティ対策を施しましょう。

無料ECサービスを5つ紹介

 ここでは、ASP、オープンソース型CMS、クラウド型CMSそれぞれの無料ECサイト構築サービスを紹介します。

1. BASE

 「BASE」はASPであり、初期費用無料です。不正決済保証機能や特定の拡張機能などを使用しない場合は、月額料金もかかりません。 種類が豊富なデザインテンプレートから選べるので、ECサイトに不慣れだがデザインにはこだわりたいという場合にもおすすめです。

  BASEには「かんたん決済」という機能が備わっており、クレジットカード払いやコンビニ決済、キャリア決済など、7種類の決済方法に対応しています。 サポート体制も充実しているので、ショップ運営に関して分からないことがあれば、すぐに聞けるのも心強いポイントです。

  ただし、売上時は決済手数料やサービス利用料(商品売上に対してかかる料金)などが発生するため、注意が必要です。

2. イージーマイショップ

 「イージーマイショップ」もタイプとしてはASPであり、SEO対策済みの豊富なレスポンシブ対応デザインから好きなテンプレートを選べる点が特徴です。オーダーメイド商品に関する項目の設定や、定期購入サービスの提供など、さまざまな販売方法にも対応しています。

 人気ランキングを自動表示できる機能や商品画像を美しく見せる機能なども備わっているので、商品の見せ方などにもこだわりたい場合に向いています。

3. EC-CUBE

 「EC-CUBE」は国内3万5,000店舗以上の導入実績を誇るECサイト構築システムで、オープンソース型CMSとクラウド型CMSの両方を提供しています。

 商品の並び替えや在庫状況のステータス表示、レビューの表示など自由度の高さが特徴的で、独自のECサイトを構築したいときにおすすめです。

4. WordPress

 「WordPress」は世界中で多く利用されているオープンソース型のCMSであり、ECサイトの構築にも対応できます。すでにWordPressを使ってホームページを使ったことがあれば、スムーズにECサイトを構築できるでしょう。

  ECサイトを作成するにはEC向けのプラグインを追加する必要があるので、どのようなネットショップを作りたいかをよく検討してから利用してみてください。

5. Jimdo

 「Jimdo」(ジンドゥー)はクラウド型CMSであり、そのおもな特徴は「ジンドゥーAIビルダー」にあります。登録時に簡単な幾つかの質問に答えると、AIがニーズに適したホームページを構築する機能で、初心者や専門知識のない方でも簡単にECサイト構築が可能です。

  無料プランの場合、500MBのサーバー容量、商品登録枠5つといった制限があり、本格的にECサイトを運営するには上位プランへの移行が必要です。まずは気軽に始めてみたいという場合に適しているといえるでしょう。

無料のECサイト構築サービスを選ぶときのポイント

  ECサイトを構築できるサービスはさまざまなものが展開されており、どれを使うべきか迷ってしまうこともあるでしょう。

 ここでは、ECサイト構築サービスを選ぶ際のポイントを紹介します。

ASPが向いているケース

 ASPを利用するのが向いているケースは、社内にWebに関する専門知識を持ったスタッフがおらず、短期間でECサイトを立ち上げたいという場合です。ASPは直感的な操作が可能であるため、Webに不慣れな人でもECサイトの運営が行えます。

  また、サーバーを自社で用意せずに済むため、できるだけ費用を抑えながらECサイトの運営に取り組みたいといった企業にもおすすめです。

オープンソース型CMSが向いているケース

 オープンソース型のCMSは、サーバー代やドメイン代といった最低限のランニングコストは必要ですが、費用を抑えながらECサイトを運営したい企業におすすめです。 また、管理のしやすさとカスタマイズ性のバランスがうまく取れているので、ASPの利用では不満があるという場合に利用してみるとよいでしょう。

  オープンソース型のCMSなら、細かい部分をカスタマイズしたいという要望を満たすことができるので、デザインなどにこだわりたいという企業にも向いています。

クラウド型CMSが向いているケース

 クラウド型CMSは、インターネット接続環境さえあればどこからでも管理が行えるので、複数の人数でECサイトを管理したい場合に向いているでしょう。 また、既存のホームページにECの機能を追加したいというときにも向いています。

まとめ:サービスごとの特徴を理解して適したものを選ぼう

 ECサイトの構築自体は無料で行えるものが多く、種類も豊富にあります。しかし、立ち上げたECサイトを運営していくためには費用もかかるため、ECサイトを構築したあとのことも考えてサービスを選定する必要があります。

  まずは無料で始められるものを選んで、ECサイトに多くのユーザーが集まってきたら別のサービスを選んでみるのもひとつの方法です。 日常的に管理が行いやすいサービスを選んでおくことで、無理なくネットショップを続けられるでしょう。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
今さら聞けないEC知識連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/10381 2023/06/02 18:09

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング