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2024年8月27日(火)10:00~19:15

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MEOとは?SEOとの違いや具体的な対策方法をわかりやすく解説

 実店舗を構えるビジネスにおいて、MEOは集客を図る有効な方法のひとつです。MEOとは「マップ検索エンジン最適化」のことで、Googleマップ上で情報を上位に表示させる効果が期待できます。今回は、MEOの基本的な特徴や効果、注意点などを詳しく紹介します。

 SEO対策はWebサイトへの集客を図る方法のひとつですが、実店舗への来店数を増やす方法としては、MEOが有効な手段といえます。MEOとは、「マップ検索エンジン最適化」のことで、適切に対策を講じることで地図検索エンジンにおける上位表示の可能性を高めることができるでしょう。

 効果的にMEO対策を行うには、基本的なポイントや効果、注意点などをおさえておく必要があります。 今回は、具体的に取り組むための方法も交えながら、MEOについて解説します。

MEOとは?

PCで地図を操作する男性

 MEOを実践する際は、どのような特徴があるのかを事前におさえておくことが重要です。ここでは、SEOとの違いも含めて解説します。

MEOの定義

 MEOは「Map Engine Optimization」(マップ検索エンジン最適化)の略語であり、ユーザーがGoogleマップで特定のキーワードを検索したときに表示される地図を上位表示させるための施策を指します。

 Googleマップでは、店舗や企業に関する情報を「Googleビジネスプロフィール(旧称:Googleマイビジネス)」として管理しており、住所や電話番号、営業時間といった基本情報だけでなく、口コミなども表示されます。 特に、地域密着型でビジネスを行う店舗や企業にとっては、Googleビジネスプロフィールを活用した集客は欠かせないものといえるでしょう。

SEOとの違い

 MEOと似たような言葉に、SEO(検索エンジン最適化)というものがあります。 MEOがGoogleビジネスプロフィールの情報を上位化するための施策であるのに対し、SEOはWebサイトを上位化するための施策を指します。

 SEOでは全国の店舗や企業を相手にしなければならないため、成果を上げるには時間がかかるでしょう。 一方、MEOの場合は特定の地域で集客を図る方法であるため、SEOよりも比較的取り組みやすいといえます。

MEO対策の効果

MEOの学びのイメージ

 MEO対策は地道な取り組みが必要ですが、そもそもどのような効果が得られるのか気になるところでしょう。 ここでは、MEOに取り組むことで期待できる効果について紹介します。

来店見込みの高いユーザーに訴求できる

 MEOに取り組むことで、見込み顧客に効果的にアピールすることが可能です。 たとえば、「地域名+業種・サービス」のキーワードで検索を行うユーザーは、特定の地域における特定のサービスを求めていると考えられます。そのため、気になる店舗やサービスが見つかればすぐに出向く可能性があるのです。

 Googleマップ検索結果の表示が上位であればあるほどユーザーの視認性は高まります。そのため、MEOに取り組むことで上位表示されれば、来店見込みの高いユーザーに対して効果的に訴求できるというわけです。

検索結果の上位に表示されやすくなる

 SEOで上位表示させるためには、競合も多く、時間や手間を必要とします。一方MEOでは、ユーザーの現在地も検索条件に含まれるので、競合が減り比較的少ない時間とコストでGoogleマップに上位表示させることができます。

 またGoogle上でも、地域を含んだ検索「ローカル検索」が行われた際は、Googleマップの検索結果が0番目に表示されます。MEOを実施することで、この検索結果エリアに表示させられる可能性があります。

Google マップで上位に表示される様子

 Webを通じて集客を図る際は、まずは地図検索での効果を高めるほうが成果を実感しやすいといえるでしょう。

大手サイトとの競合を避けられる

 SEOの場合、有名企業や大手ポータルサイトが上位表示されやすく、認知度の低い店舗の場合は上位表示を狙うのが難しいといえるでしょう。

 その点MEOの場合、基本的にユーザーが検索をしている地域にある店舗のみが表示されるため、競合の数は限られます。

 先述のとおり、SEOに較べMEOの場合は大手サイトとの競合を避けることもできるため、効果的な集客を進めたい場合に有効な手段といえるでしょう。

MEO対策における注意点

チェックリストのイメージ

 MEO対策に取り組む際は、基本的なポイントを踏まえたうえで施策を実行することが大切です。 ここでは、特に大事な点をふたつ解説します。

実店舗があるビジネスモデルに有効

 MEO対策は、実店舗がありユーザーが実際に来店するビジネスモデルにおいて特に有効な施策です。たとえば、飲食店やサロン、販売店などが向いています。

 一方、ネット通販などWebサイトの運営を主として成り立っている場合は、MEOよりSEOを優先させるほうが賢明かもしれません。このようにビジネスモデルに応じて施策を使い分けることが大切です。

ネガティブな口コミにも丁寧な返信を心がける

 MEOではユーザーから口コミをもらうことも大事な施策ですが、必ずしも良い評価ばかりを受けるわけではありません。ネガティブな評価を受ける可能性もありますが、感情的にならずに丁寧な返信を心がけましょう。

 また、Googleビジネスプロフィールには口コミを管理する機能があるので、口コミ内容の良し悪しに関わらず返信するなど、日頃からこまめな運用を行うことも大切です。

MEO対策の具体的な方法

MEOのハウツーのイメージ

 MEOの基本を理解したら、具体的な手順についても把握しておきましょう。ここでは、どのようなステップでMEO対策を進めていくべきかについて解説します。

Googleビジネスプロフィールに登録する

 MEOに取り組む際はGoogleビジネスプロフィールに登録する必要があります。そのため、まずビジネス管理用のGoogleアカウントを用意します。ビジネス向けのGoogleアカウントは、ビジネス向けのアカウント作成ページから氏名、メールアドレス、パスワードを設定するだけで簡単に作成することが可能です。

  アカウント登録の次は、ビジネスプロフィールの作成を開始します。画面の表示に沿って、ビジネス名、ビジネスカテゴリ、店舗名、住所、電話番号、営業時間など10項目前後の必要項目を1問1答形式で入力していきます。

 入力の手順としては、次のとおりです。

  1. ビジネス名
  2. ビジネスカテゴリ(業種)
  3. ユーザーが訪れることができる場所の追加
  4. 住所(郵便番号・都道府県・それ以降の住所)
  5. ビジネスの所在地(地図・航空写真から選ぶ)
  6. サービス提供地域の追加(省略可)
  7. 商品配達や出張型サービスの提供の有無
  8. 連絡先情報の追加(電話番号・ウェブサイト)
  9. Googleから自分のビジネスについて最新情報を受け取るかの選択
  10. ビジネスオーナーであることの確認(確認コードを取得)、コードの確認
  11. 提供しているサービスの追加
  12. 営業時間の追加
  13. ユーザーがメッセージを送信できるかの設定
  14. ビジネスの説明を追加
  15. ビジネスの写真を追加
  16. Google広告の無料クレジットの獲得
  17. Googleの審査を経て、設定完了

 注意したい点として、Googleでの審査はWeb上にある情報をもとに行われるので、店舗に関する情報があまりに少ないと審査において不利になることがあげられます。また、ビジネスカテゴリの設定ではメインカテゴリを1つ、追加カテゴリを9つまで設定できるので、自分のビジネスに最も適したものを選んでみましょう。

 たとえばハンバーガー店を営んでいる場合、メインカテゴリは「ファーストフード」となります。追加カテゴリとして「ハンバーガー店」と設定し、店内での飲食ができない場合は「持ち帰り用ハンバーガー」と設定します。

 自店のビジネスと関係のないカテゴリや過剰にカテゴリを設定すると、Googleからの評価が下がるので注意が必要です。カテゴリの種類や設定方法については、Googleの公式ページで詳しく紹介されているので参考にしてみてください。

 ビジネスプロフィールの作成が完了すると、Googleの検索結果に掲載が開始されたときのイメージが表示されます。設定を変更したいときは、Googleアプリメニューの「ビジネスプロフィール」からアカウント管理者のトップページにアクセスできるので、そこから変えることが可能です。

内容を充実させる

 Googleビジネスプロフィールには、投稿、ビジネス情報、写真などさまざまな項目があり、内容を充実させると検索キーワードで表示されやすくなるので、上位表示につながります。

 また、登録を完了してからの運用面も重要です。投稿機能を使って、各種イベントやクーポンなどの特典の配布、最新情報の公開などを行いましょう。

 情報機能では、登録した店舗情報の編集が行えるので、常に最新の情報を掲載しておきましょう。店舗に関する写真や商品・サービスなどの写真は、できるだけ多く掲載したほうがユーザーに伝わりやすくなります。

 さらに、Googleビジネスプロフィールにはインサイト機能が備わっているので、アクセス解析を行うことも可能です。ユーザーがビジネス情報を検索した方法やビジネスが認知されている要因などを参照することもできるので、ユーザーの行動や反応を確かめながら施策を改善していきましょう。

MEO対策を成功させるポイント

MEO対策のポイントのイメージ

 MEO対策では、次の3つのポイントを重点的に取り組むことが重要です。

Googleが重視するポイントを理解しておく

 MEO対策はGoogleビジネスプロフィール上での評価を高めることを意味しているため、Googleがどのようなポイントを重視しているのかを把握しておくことが重要です。

 Googleは大きく分けて「距離」「関連性」「知名度」の3つの指標から「有益で関連性が高いビジネス」を決定しています。

 そのため、適切なカテゴリをあらかじめ設定しておくとともに、Googleビジネスプロフィールの内容を充実させることが大切です。

NAPを統一する

 「NAP」とは、「Name(店舗名)」「Address(所在地)」「Phone(電話番号)」の3つを指すもので、店舗や企業の公式サイトに記載している内容と合致させておく必要があります。

 また、カタカナ表記やアルファベット表記、数字の全角・半角、住所の表記などに誤りがないかをチェックしておくことも重要です。誤った情報が記載されている場合、ユーザーに正確な情報が伝わらないおそれがあるためです。

 集客の機会を逃してしまわないためにも、基本情報の登録を疎かにしないよう心がけましょう。

良い口コミを集めていく

 Googleビジネスプロフィールにおける口コミの影響力は大きく、口コミの数や質によって検索順位も大きく変わるため、自店がどのような評価を受けているのか日頃から把握しておくようにしましょう。

 良い口コミはユーザーの満足度が高く、上位表示につながる可能性が高くなります。一方で、悪い口コミは店舗に対するマイナスの印象を与えてしまうので、早急に改善することが重要です。

 口コミは実際に店舗を利用したユーザーの率直な意見として読まれるため、ほかのユーザーにとっても大きな影響を与えるところがあります。

 ネガティブな口コミをweb上で防ぐことはできませんが、丁寧に回答するなどして誠実な姿勢を見せていくことが必要です。

まとめ:MEOの基本をおさえて集客につなげよう

 MEOとは、マップ検索エンジン最適化のことで、正しい手順で取り組むことで集客効果が期待できます。特に地域密着型の店舗の場合、継続して実践することでユーザーに店舗を見つけてもらいやすくなるはずです。

 SEOとMEOの違いをしっかりおさえたうえで、自店に必要な施策を進めていきましょう。

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EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

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