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[対談]成城石井・早藤さん×キタムラ逸見さん「小売業が好き」だからオムニチャネルが成功する

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 キタムラの逸見さんが、企業のオムニチャネル推進者と対談するコーナー。第3回目は、成城石井 店舗運営部部長 早藤さんが登場です。とくに買いたいものがなくてもつい足を運んでしまう、成城石井のお店。オムニチャネル、ネット事業ではどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

足を運ぶたび楽しい。成城石井、店作りへのこだわり

逸見(キタムラ) 早藤さんは、店舗運営本部の本部長のお立場で、ネット事業も見ていらっしゃいます。たしか、成城石井のプロパーでいらっしゃったと思いますが、これまでのキャリアをお聞かせいただけますか。

早藤(成城石井) 1997年に入社し、まずは店を経験するために、研修で「ボンマガザン美しが丘店」(現美しが丘店)に配属になりました。数ヶ月後に成城の本店に移動し、日配担当になっています。今は当たり前ですが、夜によく売れるスーパーマーケットということで、当時はめずらしかったんです。まだ社員数も少ない時期でしたので、いつも忙しかったという記憶ばかりです。毎日朝、納品をさばいたと思えば、夜になるとレジに呼ばれ、そのまま立ちっぱなしで帰れない。そんな日々の繰り返しでした。

逸見 本店は、住宅地である成城学園前駅の脇にありますよね。夕方がピークで23時に閉店とは、営業時間が長いですね。

早藤 そうなんです。その後、さらに人手が足りなかったアトレ恵比寿店に異動になりました。成城石井、初の駅ナカ店です。私の前は、今の社長が担当していまして、3日で引き継ぎをし、その後ひとりで任せられました。このアトレ恵比寿店を担当したのが、転機だったと思います。

逸見 成城石井さんは、広い店舗に、しっかりと品揃えをしているイメージです。駅ナカの小さいお店ではどう運営しているのか、興味があって実際に足を運んだのですが、かなり頻繁に棚を変えていますよね。

早藤 棚を変えるのが仕事ですから。一般的に、スーパーマーケットというのは標準の形があると思います。450坪、600坪といった面積の中で、メーカー、卸さんから提案された棚割で……といった具合に、どのお店も標準に従って運営する。でも、成城石井にはその文化がないんです。

お店に裁量権がありますし、会社としても、日々の売り場の改善活動に大きなウェイトを置いています。今日もあちこちの店舗に、本社の人間が商品マッサージ(棚替え)に行っていますよ。だから、他店との差別化が自然にできているんでしょう。接客の研修はもちろん、商品の勉強会も頻繁にあります。毎日、お客様の動きや期待に沿うために、最善の方法として売り場を変えていく。それが私たちの仕事ですね。

株式会社成城石井 執行役員 店舗運営本部本部長 店舗開発本部本部長
(物流戦略部・ネット事業・営業企画 担当)
早藤 正史さん

逸見 成城石井さんは、棚も商品もしょっちゅう変わるから、お店に行くたび楽しいんです。お店の方が権限をお持ちだとおっしゃっていましたが、どれくらい任せていらっしゃるんですか?

早藤 本社が戦略商品を選定し、売り場は店で工夫するという役割分担です。評価が高い店舗は、日別どころか、時間別に棚を変えています。どの店が、何を、どれくらい売っているのか、全店データがリアルタイムに見られるので、「ライバル店に負けているからがんばろう」といった発想になるんでしょうね。

各店舗の店長が部下を鼓舞して競争していますが、「価格」では戦いません。そもそも、店舗に売価の決定権はありませんから。試食販売をしたり、接客でオススメしたりといった工夫や技術で競います。これが、成城石井が他のスーパーとは異なる、特徴だと思います。


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連載:逸見さんが今日も行く!オムニチャネル対談

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