リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、外食店によるデリバリー・テイクアウトの取り組みと店内飲食利用意向の関連についてアンケートを実施した。
コロナ禍以降、「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウトの利用者は32.5%
コロナ禍で外食店からのデリバリー・テイクアウトの利用が普及したが、どのような外食店が利用されているかを調査した。
「利用したことがあった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用者・計は35.4%、「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用者・計は32.5%で、いずれも同程度利用されている。性年代別では、20・30代女性で「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用者・計が多く、さらに内訳をみると、「知らなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用者が目立った。
「知らなかった」外食店からデリバリー・テイクアウト利用後に「店内飲食でも利用したいと思った」人は72.5%
コロナ禍以降に「知らなかった」外食店からデリバリー・テイクアウトを利用した人にその後の店内飲食での利用意向を聞いた。
「店内飲食でも利用したいと思った」人は72.5%で「利用したいとは思わなかった」人(27.5%)を大きく上回った。すでに「実際に利用した」人も17.4%おり、デリバリーやテイクアウトへの取り組みは、店内飲食への呼び水として有効であるといえる。性年代別では、20~40代男性で「店内飲食でも利用したいと思った」人の割合が高く78%程度。20代男性ですでに「実際に利用した」人の割合が高く28.2%となっている。
「定期的に利用していた」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用後にそのお店での「店内飲食での利用意向が高まった」人は59.6%
「定期的に利用していた」外食店からデリバリー・テイクアウトを利用した人のうち、その後にそのお店での「店内飲食での利用意向が高まった」人は59.6%で、すでに「実際に利用した」人は14.5%であった。性年代別では、20代男性で「店内飲食の利用意向が高まった」人が73.0%と他の性年代に比べて最も高く、「知らなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用後の店内飲食での利用意向についての回答結果同様、比較的若い世代で「店内飲食での利用意向が高まった」人が多い。外食店によるデリバリーやテイクアウトへの取り組みは、新規顧客獲得とリピーターの利用促進の両方の効果が期待できそうだ。
「店内飲食でも利用したいと思った」理由は、「味」「価格」の他に「他にも食べてみたいメニューがある」「お店で出来立てを食べたい」等が上位に
「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用後に「店内飲食でも利用したいと思った」理由を聞いた。最多は「調理法や味つけがよかった」で 58.8%、次いで「価格がお手頃だった」が54.3%と、トップ2の回答はデリバリー・テイクアウトした料理に起因している。次いで、デリバリー・テイクアウトした料理に起因しない理由である「他にも食べてみたいメニューがある」(42.8%)、「お店で出来立てのメニューを食べたい」(33.7%)が上位に入っている。性年代別では、30・40代女性で「調理法や味つけがよかった」が高く、30代以上の女性で「お店で出来立てのメニューを食べたい」も高かった。
「店内飲食でも利用したいと思わなかった」理由は、「割高」「コロナ禍」「別の店が優先」
「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用後に「店内飲食でも利用したいと思わなかった」理由を聞いた。トップ3は「割高だった」(35.8%)、「コロナ禍のうちは店内飲食を避けたい」(32.2%)、「店内飲食するなら他にもっと行きたいお店がある」(28.3%)であった。性年代別は、サンプル数が少ないため参考程度であるが、40・50代男性で「割高だった」、50・60 代男性で「コロナ禍のうちは店内飲食を避けたい」がそれぞれ目立った。
調査概要
調査名
外食市場調査(2021年6月度)
調査方法
インターネットによる調査
調査(外食マーケット基礎調査)の中で、コロナ禍以降(2020年4月以降)の外食店が実施するデリバリー・テイクアウトの利用状況、利用したあとの外食利用意向とその理由などを聴取。
調査対象
首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)、関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県)、 東海圏(愛知県、岐阜県、三重県)に住む20~69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)