矢野経済研究所は、一般消費者を対象として日常生活における消費行動や生活一般、SNSやデジタルサービス利用状況などに関するアンケート調査を実施。Withコロナ社会の消費者心理の変化について、調査・分析を行った。
同調査では、「日常のお金の使い方」、モノ(食料品、日用品、ファッション製品、化粧品・美容、ゲーム・音楽等)や、コト(運動・スポーツ、学び・スキルアップ、子育て・教育、外食・飲み会、貯蓄[投資含む])への消費金額の変化について、毎回たずねている。3ヵ月前の消費金額(実線)、3ヵ月後の消費金額の見通し(破線)がそれぞれ同じ、つまり横這いであれば「0」とし、増えるのであればプラス、減少するのであればマイナスとして、DI値を算出した。
第2四半期(2020年度7-9月期)調査では、3ヵ月前の消費金額よりも増加したのは、食料品が10.4、日用品が0.5と2品目だけという結果に。これは第1四半期(2020年度4-6月期)調査と同様で、巣ごもり消費の中心となる食料品と日用品を除き、いずれも4-6月期、7-9月期を通してマイナス圏で推移しており、消費金額の減少傾向が継続している。ただし、数値は緩やかな回復を示しており、減少傾向にある人の割合は徐々に低下している。
第2四半期(2020年度7-9月期)調査での3ヵ月後の消費金額の見通し(破線)は、全体として現在より回復傾向がさらに鈍化、マイナス傾向が継続するという調査結果であり、消費の回復傾向は先延ばしになると予測。
類似の調査として、内閣府が毎月公開している「景気ウォッチャー調査」があるが、先般、8月の調査結果が発表され、現状判断指数(季節調整済み)が前月比2.8ポイント高い43.9となり、4ヵ月連続の上昇に。ただ、依然として現状維持の「50」を下回り続けており、景気が悪いと回答する人が多い状況が続いている。
日常消費の10-12月期の見通しは、景気ウォッチャー調査の先行き判断指数をみても42.4と「50」を下回る低い値となっており、同調査の見通しを裏付ける傾向となっている。
「景気ウォッチャー調査」
DI値「50」は、同調査の値「0」におよそ等しく、値がマイナス圏にあることは、消費金額が減少した人が多いことを示す。