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楽天、山岳エリアで高度差におけるドローン活用物資配送飛行の実証実験に成功 配送ソリューション拡大へ

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2020/09/24 09:00

 楽天は、白馬村山岳ドローン物流実用化協議会の一員として、長野県白馬村の白馬岳の登山口にある「猿倉荘」から、山頂にある山岳宿舎「白馬山荘」および白馬岳頂上宿舎までの、最大約1,600mの高度差におけるドローンを活用した目視外飛行での物資配送の実証実験に成功したことを発表した。

 同実証実験は、長野県白馬村を含む11の企業・団体・自治体が参画する同協議会が、山岳エリアの抱える物資輸送における課題解決を目指し、本年8月中旬から9月中旬までの約1ヵ月にわたり実施したもので、楽天はドローンの配送ソリューションの提供や運用を担った。

 同実証実験では、長野県白馬村の白馬岳(標高2,932m)の登山口にある「猿倉荘」(標高1,250m)から、日本最大級の山岳宿舎「白馬山荘」(標高2,832m)および白馬岳頂上宿舎(標高2,730m)までの片道約5kmをドローンの配送ルートとし、振動により傷みが生じやすい桃や梨など最大5kgの物資を、傷つけることなく無事に配送。また、従来の輸送手段であった歩荷(荷物を背負い、徒歩で山小屋などに荷揚げをすること)で約7時間かかるところを、ドローンでは約15分の飛行時間にまで短縮した。なお、「白馬山荘」から「猿倉荘」への復路では、建築廃材などを配送ボックスに積み込み、配送を行った。

 山岳エリアに位置する長野県白馬村においては、山荘間での物資輸送が大きな課題となっている。スタッフによる歩荷輸送には危険が伴い、ヘリコプターによる物資輸送では費用の高騰や天候不順時の飛行不可能などの問題を抱えていた。

 物資輸送が滞るなどの万が一の事態が起きた場合は、山小屋が孤立してしまう危険性もあることから、同協議会は2018年より、従来の手法よりも効率的かつ危険性の低いドローンを活用した物資配送の実証実験に取り組んできた。同社は、本年から同協議会に参画し、ドローンの航続距離や無線通信などの山岳エリアならではの課題解決に向けてドローン配送ソリューションの提供を担っており、これまでの実証実験やサービス提供を通じて蓄積したノウハウを生かし、今回の実証実験の成功に貢献したという。

 同社は、これまで「ドローン配送による物流困難者の支援」を事業目標のひとつに掲げており、離島など物流困難地域に住む人々を支援するため、実証実験や新たな物流ソリューションの提供を、日本全国の12の県で実施してきた。今回成功した山岳エリアにおける物流支援は、白馬村のみならず日本各地の山岳エリアで共通する課題を解決する一助となる可能性があり、今後は実証実験で得た知見を全国の山岳エリアでのドローン配送ソリューションの提供拡大に向けて生かしていく考え。また、将来的に地元地域の人材が活用・運用できるオペレーション体制の確立と、それにともなう地域雇用の創出を目指すという。

実証実験の概要

  • 実施期間: 2020年8月中旬から2020年9月中旬までの約1ヵ月
  • 配送ルート: 「猿倉荘」(標高1,250m)から離陸し、「白馬山荘」(標高2,832m)および白馬岳頂上宿舎(標高2,730m)に着陸
  • 飛行距離: 片道約5km
  • 配送物資: 桃や梨などの果物 他(最大5kg)
  • 運営主体: 白馬村山岳ドローン物流実用化協議会
  • ソリューション提供: 楽天

長野県白馬村におけるドローン配送の様子

左:「猿倉荘」(標高1250m)で物資(桃)を配送ボックスに積み込む様子/右:ドローン配送の様子

左:「猿倉荘」(標高1,250m)で物資(桃)を配送ボックスに積み込む様子/右:ドローン配送の様子

左:「白馬山荘」(標高2832m)への着陸の様子/右:山荘スタッフへ物資をお届けする様子

左:「白馬山荘」(標高2,832m)への着陸の様子/右:山荘スタッフへ物資をお届けする様子



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