富士経済は、道の駅などの直売所を除いた市場外流通で、ICTを活用して生産者と消費者を直接つなぐ、新たな産地直結型農業ビジネスの国内市場を調査した。その結果を「農業ビジネスを進化させる産直テック関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、ECプラットフォームを活用した農産物流通ビジネスをはじめ、調査対象とした11社が展開する注目の産地直結型農業ビジネスによる農産物流通額を捉えた。また、各社の流通システムや収益構造などを明らかにした。
11社が展開するビジネスによる農産物流通額は、国内の農産物総流通額の1%未満と小さいものの、2020年は新型コロナの感染拡大を背景に販路が狭まった生産者、ステイホームにより外食の機会が減少した消費者による利用が共に急増し、大幅に拡大した。中でも、オイシックス・ラ・大地をはじめとした宅配ミールキットや、産直ECプラットフォームによる流通額が増加した。
とくに、ECを活用し、生産者から消費者などの購入者に農産物を直接配送する産直ECプラットフォームの伸びが注目される。プラットフォーマーであるビビッドガーデンやポケットマルシェなどが個人消費者向けのサービスを充実させたことにより、2020年の流通額は前年比20.0倍の40億円となった。
調査方法
富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データ ベースを併用
調査期間
2021年4月~6月
産直ECプラットフォーマー
- ビビッドガーデン
- USEN
- ポケットマルシェ
- やさいバス
- レッドホースコーポレーション
- Heart Full
産直テック関連事業者
- オイシックス・ラ・大地
- 農業総合研究所
- バリュードライバーズ
- クックパッド
- プラネット・テーブル