2015年度の国内加工食品市場は29兆7,297億円
矢野経済研究所は、国内の加工食品市場の調査を実施した。この調査における「加工食品市場」とは、酒類、飲料、乳製品、食肉加工品、水産加工品、農産加工品、パン・麺類、小麦粉類・粉製品、調味料類、油脂加工品、砂糖・甘味料類、冷凍食品、インスタント・レトルト食品他、菓子類、健康食品の15カテゴリ177品目を対象としている。
市場規模には市販(家庭)用を中心として一部業務用途を含み、メーカー出荷金額ベースで算出した。
同研究所は、2015年度の国内加工食品市場規模(メーカー出荷金額ベース)を、前年度比100.5%の29兆7,297億円と推計。2014年度は消費税増税前の駆け込み需要の反動の影響を受けたが、2015年度は持ち直している。また、円安による輸入原材料の調達コスト上昇により、製品価格が値上げされ、値上げによる市場規模の底上げもみられた。
調理の簡便化ニーズ、健康志向などを捉えたカテゴリが拡大
また、15カテゴリ別に過去5年間の平均成長率をみると、冷凍食品(平均成長率102.6%)やインスタント食品・レトルト食品他(同101.7%)、パン・麺類(同100.7%)など調理の簡便性が高いカテゴリや、健康意識の高まりで健康食品(同101.4%)が成長を続けている。
カテゴリ別に加工食品市場をみると、内食化や調理の簡便化ニーズ、健康志向などを捉えた冷凍食品やインスタント食品・レトルト食品他、健康食品、大人をターゲットとした新規需要の掘り起こしや訪日外国人客によるインバウンド消費が追い風となっている菓子類などの市場カテゴリは拡大傾向にある。同研究所は、市場環境の変化によるニーズに適応したカテゴリの加工食品は、今後も堅調に推移していくと予測している。
【調査概要】
調査期間:2016年5~7月
調査対象:国内有力食品メーカー、食品卸、その他関連業界団体等
調査方法:矢野経済研究所の専門研究員によるアンケート調査、および文献調査その他データ収集を併用