利用者数トップ3は「welq」「MERY」「LAUGHY」
特化型キュレーションメディアは“雑誌系のメディア”とも呼ばれ、特定のジャンルにおいて、専門的で質の高いコンテンツを提供することで近年利用者数を伸ばしている。企業にとっても、デモグラフィック属性だけでなく、利用者の趣味趣向がはっきりしている点で広告を出稿しやすく、双方にとって注目のサービスとなっている。
ニールセンは2016年6月のデータをもとに、特化型キュレーションメディアについて分析を行った。2016年6月の利用者数1位はヘルスケア情報に特化した「welq(ウェルク)」の631万人で、昨年10月の提供開始以降急速に利用者数を伸ばし、直近3ヵ月では2倍以上の増加となっている。
2位は若年層の女性をターゲットとした「MERY」で610万人。「MERY」は2015年7月、12月に実施したTVCM等の効果もあり1年間で150万人程度利用者数を伸ばしている。大人の女性をターゲットとした3位の「LAUGHY(ラフィ)」、旅行情報に特化した4位の「Find Travel」、5位の「RETRIP」の3メディアは昨年同月比で利用者数が3倍以上に増加している。また、上位5つのうち「welq」「MERY」「Find Travel」の3つはDeNAグループが運営するメディアだ。
利用者属性を見ると、5メディアすべてで女性の利用者割合が高くなっており、特に20代以下が最も高くなっている。「MERY」はその傾向が強く、女性全体で87%、20代以下の女性だけでも47%となり、30代まで含めると72%となっている。
それぞれのメディアの一人あたりの月間利用回数および利用時間を表した以下のグラフを見ると、利用回数、利用時間ともに「MERY」がその他4メディアの2倍以上となっている。
「MERY」の強さの秘密は?
特化型キュレーションメディアの中でも「MERY」は利用回数が多く、利用時間も長く、若年層の女性に人気のメディアに成長。流行のファッションやコスメなどの情報が、写真や動画とともにまとまっており、若い女性にとって役に立つ情報が多いことが人気の理由のひとつとなっている。
単にまとめ記事を配信するメディアではなく、サイトやアプリ内から、ファッションアイテムが購入できるコマース機能を持っていたり、美容室が予約できたりすることも人気の理由と考えられ、利用時間を伸ばしている要因と見られる。
また、「welq」はオープン後、半年たらずで利用者数が600万人を超えるメディアに成長。このように今後も、数ヵ月で一気に利用者を伸ばすような特化型のキュレーションメディアが登場するかもしれないと、ニールセンは分析している。