矢野経済研究所は、一般消費者を対象として日常生活における消費行動や生活一般、SNSやデジタルサービス利用状況などに関するアンケート調査を実施し、コロナ禍の消費者行動の変化について、調査・分析した。
同調査は、一般消費者へ四半期ごとに、その意識や消費行動、生活一般の変化を中心にアンケート調査を定期的に実施するもの。四半期ごとに、興行イベント(舞台、コンサート、ライブ)に参加した人数の割合を、居住地域別に調査した。図は、2020年4-6月期から直近の2022年1-3月期までの結果を示している。地域は、それぞれ回答者の居住市区町村に準じて、3大都市圏、地方都市圏、そのほか地域に大別した。また、同調査における参加率とは、回答者に占める興行イベントへ参加した人の割合を指す。
興行イベントの参加率、オミクロン拡大でも3大都市圏では下げ抑制、今後の回復に期待
今回の2022年1-3月期調査では、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大を受けて全地域で参加率が低下。3大都市圏の参加率は、前回の調査から1.0ポイント低下して3.7%、地方都市圏とそのほか地域は1.6ポイントの大幅低下となり、それぞれ2.3%と1.7%の参加率となった。
3大都市圏は、地方都市圏、そのほかの地域と比較して参加率低下の影響が小さい。地方都市圏とその他地域は、感染拡大第5波の渦中だった前々回の7-9月期調査時よりも参加率は低下。しかし、3大都市圏は1.0ポイントの低下にとどまり、調査開始以来2番目の高さを示している。
その要因として、3大都市圏では感染拡大期でも参加需要に応じて、イベント実施数が維持されている可能性があるという。内閣府のV-RESAS内ぴあのデータによると、「チケットぴあ」によるイベントチケットの販売数(開催日ベースの2019年同月比)では、関東や近畿で開催されるイベントチケットの販売数が2022年1月も上昇を示しており、イベント実施数が下げ止まっているとみられる。
直近の2月以降では、まだ第6波の渦中にもかかわらず、3大都市圏を回るツアーなど、大型イベントも実施されている。イベント実施数の純粋な増加は、今後の参加率上昇にも好影響に。今回の3大都市圏での参加率低下の抑制は、今後の興行イベント参加の回復に期待が持てる結果となった。