東映は、パッケージ製品販売管理システムのデータベース基盤として「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」上で提供される「Oracle Autonomous Transaction Processing」を導入。
東映では、パッケージ製品の販売管理システムのデータ管理に「Oracle Database」を20年以上にわたり利用している。この販売管理システムのハードウェア老朽化およびOSのアップデート対応に伴うシステムの更改に際し、東映では「Oracle Database」の機能、使い勝手などのメリットを継続して利用するため、新たな販売管理システムにおいても「Oracle Database」を利用する前提で、データベース基盤の刷新を図った。
クラウド移行および自律機能による運用管理の負荷軽減に加え、Bring Your Own License(BYOL)活用により低コストで「Oracle Database」の最新機能が利用可能なことから、「Oracle Autonomous Transaction Processing」を採用、社内システムで初めてデータベースのクラウド移行を決定した。
東映では、数十万件のデータを扱っていたオンプレミス環境のデータベースから「Oracle Autonomous Transaction Processing」への移行を自社で行っており、オラクルが提供しているチュートリアルなどを参考にしつつ、構築を1カ月、データ移行は2日間という短期間で移行を完了。従来の環境と同等の使用感を実現できたことで、ユーザー部門における新環境への移行もスムーズに行われた。
「Oracle Autonomous Transaction Processing」に移行することで、データベースのチューニングも自律的に行われるため、最低限のマニュアルでの調整を行っただけで、処理速度の向上も実現している。例えば、業務アプリケーションは、体感で従来の1.5倍程度は処理が速くなり、データベースのデータをオンプレミスのデータウェアハウスシステムへ転送するバッチ処理は性能が2倍以上向上し、処理時間を半減できたことで、業務部門の作業効率化に貢献。運用管理面では、オンプレミス環境で運用していたサーバーの維持管理および5年ごとの更改の作業負荷が不要となるほか、自動化によりデータベースの運用管理負荷も軽減されている。
東映株式会社 情報開発室 室長 鈴木聡氏は次のようにコメントしている。
「東映では、SaaSでのクラウド利用は進んでいますが、今回初めてデータベースのクラウドへの移行を行いました。オンプレミスの「Oracle Database」から「Oracle Autonomous Database」への移行は想定よりも容易で、基本的な使い方が変わらず、従来の知見を生かして運用することができ、利用者もクラウドに移行したことを意識せず利用できています。チューニングも最低限で、移行しただけで性能が向上したのは驚きでした。今回の移行により改めてクラウドのメリットを実感しており、今後そのほかのデータベースやシステムにおいてもクラウドの利用を積極的に検討したいと考えています。」