通販企業のデジタルシフト
先進企業に聞く最優先施策とポイント
西井(warmth) 今回のテーマは「通販企業のデジタルシフト」ですが、「いまさら?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、さまざまなに企業さんにコンサルに入らせていただくんですが、「なかなかデジタルシフトできない」というお悩みをけっこうお持ちなんですね。
今回、パネリストとして、ガシー・レンカーの藤原さんとJIMOSの川上さんに来ていただきました。もともと電話の通販がものすごく強かったにもかかわらず、デジタルシフトが終わらんとしている、もしくは今加速度的に進めている2社さんです。
藤原(ガシー・レンカー) ウェブからの注文の比率がどんどん右肩上がりで増える一方、テレビが右肩下がりで減っているのが実態です。お客様のデジタルシフトが、注文チャネルだけ見ても顕著に表れていると思います。
川上(JIMOS) ガシーさんに比べたらまだまだではありますが、この2年で、「マキアレイベル」「Coyori」ともにオンラインの売上比率が伸びていて、とくに「マキアレイベル」は2倍になっています。
西井(warmth) 藤原さんがガシー・レンカーに入られたのは4年ほど前、川上さんは広告、クリエイティブ、ブランドによっては商品開発も担当されていて、デジタルはここ2、3年ほどガリガリやられてきた感じですよね。その数年で、どうやってデジタルシフトを進めてこられたのか、まずはデジタルシフトのきっかけからお聞きしましょう。
デジタルシフトのきっかけ:ガシー・レンカーの場合
藤原(ガシー・レンカー) 2012年4月、ちょうど私が入社した当時から2年間の数字を見直してきました。我々のマーケティングは簡単に言うと、テレビCMを打ち、電話をかけていただいたり検索をしていただくという考えかたです。注文数は伸びているものの、電話の1件当たりのオーダーのCPOが悪くなっていました。悪くなった分をデジタルで回収していかないと、テレビCMを含めたプロモーションもうまくいかないし、会社の利益が上がっていかないという構図に、もう変わってしまっているんです。
西井(warmth) テレビの効果が悪くなったから、広告投資をウェブのほうにシフトしたわけではないんですね。
藤原(ガシー・レンカー) テレビもやりながら、デジタルも効率よく取ろうというのが、当社の考えです。
西井(warmth) ただもう、テレビと電話だけだと全然うまくいかなくなっている。
藤原(ガシー・レンカー) そうですね。メインターゲットが10~20代の女性ですから、7割がデジタルから購入し、さらに7割がスマホから購入しているんです。テレビを見て、スマホで検索して買うという流れが、かなり定着してるんじゃないかなと思います。
西井(warmth) ガシー・レンカーさんは、親会社がアメリカですが、そちらのほうから「デジタルシフトしなさい」という司令が来たりはしなかったんですか?
藤原(ガシー・レンカー) 来ていました。アメリカの場合、日本よりも2、3年早い段階で、一度、すごく数字が悪くなった時があったんです。そこで、もっとデジタルを強化しようという方針になり、ガシー・レンカーのデジタルマーケティングを大きく変えました。そこから大きくターンアラウンド(好転)しています。
僕が入社したタイミングで、「日本も同じように挑戦してみては?」ということになり、アメリカに出張し、当時のデジタルマーケティングの担当者全員に会って、ひととおりのことを教えてもらったという具合です。
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