リテールテックカンパニーのNELは、「SNSと消費行動に関する実態調査」を実施した。SNS上での情報収集と購買行動の関連性、特に「推し」を持つユーザーの発信傾向について調査し、現代の消費者行動における新たなトレンドを明らかにした。

2人に1人が購入前にSNSハッシュタグを確認
調査の結果、消費者の55.1%が商品購入前にSNSで商品名やブランド名などの関連ハッシュタグを確認しており、特に10〜20代では69.4%ともっとも高く、若年層ほどハッシュタグを活用した情報収集が購買プロセスに定着していることが確認された。

また、SNSでの情報収集が購買判断に影響すると答えた人は59.5%。過去3ヶ月以内にSNSをきっかけに購入した経験者も37.4%にのぼった。購入のきっかけとなったSNSは、Instagram、YouTube、X、TikTokの順に続いた。

最も信頼されているのは「一般ユーザーからの口コミ」
信頼する情報源については、「一般ユーザーの口コミ」が36.6%と最多で、インフルエンサー(4.0%)と比較して約9倍の差をつけた。消費者は著名人よりも「自分と似た立場の一般ユーザー」の意見を重視していることが浮き彫りとなった。

情報収集の際に特に参考にする情報でも、「ユーザーの使用感レビュー」(42.8%)と「ユーザーによる評価やコメント」(39.2%)が上位を占め、リアルな商品体験談が購買決定の重要な要因となっていた。

「推し」商品への発信意欲が圧倒的に高い
商品やブランドに「推し意識」を持つユーザーの6割が、通常の1.5倍以上の頻度で発信していると回答。中には4倍以上という回答もあり、推し商品への熱量の高さが際立った。

さらに、57.1%が「好きな商品(推し)でなければ発信への熱意が湧かない」と回答し、特に10〜20代では71%が共感しており、若い世代ほど熱意ある発信と商品への愛情が強くリンクしていることが判明した。

また、約3割のユーザーが「推し」商品・ブランドを保有しており、29.1%が継続的に発信している実態も明らかとなった。
調査概要
- 調査期間:2025年6月11日(水)~6月13日(金)
- 調査対象:全国15〜59歳の男女
- 調査人数:500名
- 抽出条件:月に1回以上SNSを利用する消費者
- 調査方法:インターネット調査
- 調査機関:楽天インサイト