クール便とは?チルド便・冷凍便との違いは?
「クール便」とは、生鮮食品や冷凍食品といった低い温度帯での管理が必要な荷物を配送するサービスのことです。
一方「チルド便」とは、冷蔵温度帯で荷物を配達するサービスを指し、「冷凍便」とは冷凍温度帯で荷物を配達するサービスを言います。
ですので、「クール便」とは、チルド便や冷凍便などを含めた低温度帯配達サービスの総称と言えるでしょう。
クール便の送り方・コンビニ発送・受取は可能?
クール便を送るには、宅配業者の営業所や郵便局への持ち込み、もしくはドライバーによる集荷のみとなっています。コンビニや取扱店などでは、保冷機能がある専用の設備や機材がないため、発送できません。
また、同様にクール便はコンビニ受け取りにも対応していないため、ドライバーによる配達を待つ必要があります。
クール宅急便(ヤマト運輸)の特徴
「クール宅急便」はヤマト運輸の提供する宅配サービスです。どのようなサービス内容なのか、特徴や注意点を見ていきましょう。
管理温度帯
クール宅急便は、冷蔵タイプと冷凍タイプの2つの温度帯を選ぶことが可能です。冷蔵タイプは0℃~10℃、冷凍タイプは―15℃で低温輸送されます。
料金(サイズ別)
料金は60サイズから120サイズの4種類に分類されています。
60サイズ/2kg以内 | 基本運賃+275円 |
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80サイズ/5kg以内 | 基本運賃+330円 |
100サイズ/10kg以内 | 基本運賃+440円 |
120サイズ/15kg以内 | 基本運賃+715円 |
ヤマト運輸の会員サービス「クロネコメンバーズ」への登録や、営業所への持ち込み、キャッシュレス決済を利用することで、割引を受けられます。
重さ上限
クール宅急便の重さ上限は15kgです。各サイズで重さの上限が定められています。
発送方法
クール宅急便の発送方法は2つ。集荷に来てもらうかヤマト運輸直営店(宅急便センター)への持ち込みになります。 クール宅急便に関しては、コンビニエンスストアへの持ち込みはできません。
情報を入力した後にスマホをかざすだけで発送ができる「宅急便をスマホで送る」サービスは、クール便の場合、営業所のみの受付となっています。
オプション
クール宅急便は、日時指定やヤマト運輸直営店(宅急便センター)での受け取りが可能です。元払いだけでなく、着払いにも対応しています。
注意点
クール宅急便は定温一貫輸送ではなく、積み込み時などに荷物が外気に触れる可能性があります。そのため、発送前に十分な予冷を行うことが大切です。不在の場合、荷物は最寄りの営業所で3日間保管されます。
飛脚クール便(佐川急便)の特徴
「飛脚クール便」は、佐川急便の提供するサービスです。どのようなサービス内容なのか、特徴や注意事項を紹介します。
管理温度帯
飛脚クール便の管理温度帯は、冷蔵タイプと冷凍タイプとあり、冷蔵タイプは2℃~10℃、冷凍タイプは―18℃以下で低温輸送されます。
料金(サイズ別)
料金はサイズや重さで5種類に分類されています。
60サイズ/2kg以内 | 基本運賃+275円 |
---|---|
80サイズ/5kg以内 | 基本運賃+330円 |
100サイズ/10kg以内 | 基本運賃+440円 |
140サイズ/20kg以内 | 基本運賃+880円 |
140サイズ/30kg以内 | 基本運賃+1,320円 |
重さ上限
飛脚クール便の重さ上限は30kgとなっています。各サイズで重さの上限が定められています。
発送方法
飛脚クール便の発送方法は、集荷に来てもらうか佐川急便営業所への持ち込みの2つです。コンビニエンスストアへの持ち込みはできません。
オプション
飛脚クール便は日時指定のほか、営業所受取サービスなどの併用も可能です。 また飛脚航空便の運賃にクール便の料金を加算することで、「飛脚航空便クール発送」の利用もOK。クレジットカードやデビットカード、代金引換(専用送り状)での支払いも選択できます。
注意点
飛脚クール便利用時には、荷物に飛脚クール便シールを貼付する必要があります。利用条件が異なる地域があるため、事前に担当営業所へ確認をしておくと安心です。
チルドゆうパック(郵便局)の特徴
「チルドゆうパック」は、郵便局(日本郵便)の提供するサービスです。詳しいサービス内容を見ていきましょう。
管理温度帯
チルドゆうパックは冷蔵タイプのみ。冷蔵温度帯での輸送となります。
料金(サイズ別)
料金形態は60サイズから150サイズの6種類に分類されています。
60サイズ | 基本運賃+225円 |
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80サイズ | 基本運賃+360円 |
100サイズ | 基本運賃+675円 |
120サイズ | 基本運賃+675円 |
140サイズ | 基本運賃+1,330円 |
150サイズ | 基本運賃+2,100円 |
クール便を扱う3社の中では、最も料金設定が細かく、大きなサイズの荷物も発送が可能です。郵便局に荷物を持ち込む場合や、同一の宛先に複数の荷物を送る場合には、割引制度があります。
重さ上限
チルドゆうパックの重さ上限は25kgとなります。サイズごとの上限は設けられていません。
発送方法
チルドゆうパックの発送方法は、郵便局への持ち込みもしくは集荷サービスです。
オプション
荷物の破損・汚損・未着などに対し、損害要償額の範囲内で実損額を賠償するセキュリティサービスを利用できます。また、代金引換サービスにも対応しています。
注意点
チルドゆうパックを利用する際は、発送前に必ず予冷を行うことが大切です。
クール便の選び方【3社】サービスの特徴やメリット
どのサービスを選べば良いのかわからない……という方に向けて、3つのサービスの特徴や利用するメリットを比較します。
クール宅急便(ヤマト運輸)
ヤマト運輸のクール宅急便は、冷凍・冷蔵ともに同一料金です。
クロネコメンバーズに登録することで割引率も上がるため、クール宅急便に限らずヤマト運輸を使って荷物を多く発送する人にはおすすめといえるでしょう。
飛脚クール便(佐川急便)
佐川急便の飛脚クール便は、冷蔵と冷凍どちらにも対応しています。30kgまで対応しているため、大型の荷物を冷蔵・冷凍で配達してほしい場合には飛脚クール便を使うとよいでしょう。
また、北海道から沖縄まで翌日配達ができる飛脚航空便にもクール便のオプションをつけられるので、遠方に冷蔵・冷凍の荷物を送りたい場合にもおすすめです。
チルドゆうパック(郵便局)
チルドゆうパックは荷物のサイズが豊富で、サイズに関係なく重量制限は25㎏と重たいものまで対応可能です。
荷物の持ち込み割引もあり、近くに郵便局があればお得に荷物を送れます。
また、同一の宛先に複数の荷物を送る場合には、割引が適用されるのでチルドゆうパックがおすすめです。
クール便は各社サービスを比較して選ぼう
クール便と一口に言っても、宅配業者によってサービス内容が異なるため、生活環境や荷物の形状、個数などで適したサービスが変わってきます。
たとえば、各社の対応サイズを見てみると、最も小さい60サイズはチルドゆうパックが「運賃+225円」のため一番お得です。また、クール宅急便は120サイズまでしか対応していないため、それ以上のサイズの荷物を送る際には、140サイズまで対応している飛脚クール便か、150サイズまで対応しているチルドゆうパックを選ばなければなりません。
ただし、チルドゆうパックは冷蔵温度帯しか対応しておらず、冷凍の荷物を送るにはクール宅急便もしくは飛脚クール便を利用する必要があります。
ほかにも、各社で対応している割引サービスも異なるため、3社のサービス内容を理解しておくことで、よりお得な選択ができます。
料金面だけでなく、対応サイズや割引サービスなども比較して、上手にクール便を使い分けてください。
また、クール便を使って発送する場合には、発泡スチロール箱や撥水加工された箱を使うなど、品物に適した梱包材を選ぶことも大切です。