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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ZETA・松田が探る「最強のデジタルチーム」の作りかた

「ユーザーに向き合うチームはブレない」 ヤフー友澤さんが語る、強いデジタルチームの作り方

 ECを支援するサービスが進化を続ける一方で、デジタルな環境で実績を出すための「チーム作り」への関心が高まっています。ソフトバンクでEC事業立ち上げやデジタル広告事業に携わり業界内に多数の人脈を構築してきた松田忠浩さんは、現在では自身でも起業する形で独立し、また先日過去最高益を達成したゼロスタートにおいても経営企画の重要な一翼を担う形で、今後のいっそうの成長へと取り組んでいます。そうした経験などを踏まえ、松田さんが業界のキーマンたちにインタビューし「勝てるチームの作りかた」を解き明かします。第1回となる今回は、松田さんがソフトバンク時代から交流のある、ヤフー マーケティング&コミュニケーション本部 本部長 友澤大輔さん。日本有数のプラットフォームである同社の広告事業を担うチームについて、お話を伺いました。

 

ゼロスタート 経営企画部の松田忠浩さん(写真左)、ヤフー マーケティング&コミュニケーション本部 本部長 友澤大輔氏
ゼロスタート 経営企画管理部の松田忠浩さん(写真左)、
ヤフー マーケティング&コミュニケーション本部 本部長 友澤大輔さん

ゼロスタート・松田忠浩さん(以下、松田):友澤さんは現在、ヤフー マーケティング&コミュニケーション本部 本部長として活躍されていますが、具体的には、どのようなお仕事をされているのでしょうか。

ヤフー 友澤大輔さん(以下、友澤):ヤフーの全サービスにおけるマーケティングの人材と予算と、一部データを1つの本部に集めるという仕事をしています。

肩書きはマーケティング&コミュニケーション本部 本部長ですが、「広告宣伝本部」と言うとわかりやすいかもしれません。ヤフー全体のマーケティング施策を1つの組織でやることを大きな目的としています。私自身、この仕事がやりたくてヤフーに入社しました。

松田:組織の起案から始められたのですか。

友澤:そうです。これも話すと長いのですが(笑)。ちょうど3年前に、弊社のCEO(編注:宮坂学氏)とCOO(編注:川邊健太郎氏)と話す機会があり「自分だったらこのような組織を作ります」と提案したところ、「では、やって」ということになり(笑)。

最初は広告の仕事をしていたのですが、弊社内部の人脈ができてきたところで、COO主導で、現在の組織が作られました。ゼロから理解を得て成果を出し、皆が仕事をしやすい組織に育てるまでがたいへんでしたし、自分の子供のような感じがしますね。

松田:ヤフーはカンパニー制の企業ですから、マーケティングに関する組織を統合するのは大きな苦労があったのではと思います。今回はそんな友澤さんに、デジタル事業にかかわるチーム作りについて伺いたいと思います。

「組織の規模」と「チーム施策」はパターンがある

松田:友澤さんは、最近とくに「チーム作り」に関する相談などを受ける機会があるとお聞きしましたが。

友澤:デジタルマーケティングに関しては、最近とくに相談いただくことが多いですね。多くの方は「ゼロから組織を立ち上げて成功させる」という話をされると思いますが、私の場合、リクルートで「デジタルチームを畳む」という経験をしています。組織は、セントラライズして離れて、というのを繰り返すものですが、私の場合は「この段階はこうかな」というのが読めるんですよね。

松田:「読める」と言うと?

友澤:よく講演で、縦軸に「マーケティング成熟度」横軸に「施策」として、「あなたの組織はこのレベル感だから、この施策をやったほうがいいですよ」ということをやっていました。

松田:すごいですね、それだけで仕事になるのではないでしょうか(笑)。現在、友澤さんのチームは何人くらいいらっしゃいますか?

友澤:専任は80名、兼務を含めると120人くらいですね。

松田:ズバリ! 現在、友澤さんの印象として「いいチーム」でしょうか?

友澤:「いいチーム」になってきました。これまで私の人生は9割が「しくじり」で、反省力と修正力でなんとかやってきたのですが、その苦労のおかげかもしれません。

松田:友澤さんにとって、「いいチーム」を作るヒケツはどのような点にありますか?

友澤:新規の事業や組織を立ち上げる場合、まずアイディアをもった個人が、成果を作ります。すると、その人に集まるコミュニティが生まれますよね。このコミュニティが、1つの組織として統合された意志のもとで動ける最大値が、10数名くらいです。ベンチャーのサイズもそのくらいだと思います。

その次の段階に入ると、会社から「こういうことやってよ」「こういう人ももってよ」という形でオーダーが入るようになります。そうなると、自分と違うベクトルの人と一緒に「自分がやりたいこと」と「会社がやりたいこと」をかけ合わせて、自分色を消しながら組織を作っていくわけですよね。

松田:友澤さんのように存在感が強い人が「自分色を消す」のは難しいのではないでしょうか。

友澤:たいへんですよ…(笑)。デジタルのマーケティングは、「デジタル」という冠があるため、どうしても「我々の専門はこれ」というポジショントークをしてしまいがちです。

軸をもって仕事をしなくてはいけないのは仕方ないことだと思っていますが、まわりとの調和や連携の中で、より大きな組織を動かさなくてはいけない局面になった場合、自分の意志をもって物事を動かすことは、やるべきではないのかな、と認識しています。大組織の中では、自分の方向性は示すけれど、HOWの具体性までは言わないようにしています。

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この記事の著者

松田 忠浩(マツダ タダヒロ)

ZETA株式会社(旧ゼロスタート) 経営企画部 事業開発担当。神戸市出身、関西学院大学卒業。ソフトバンク株式会社において、EC事業の立上げからデジタル広告の事業責任者まで約15年間インターネット事業を務める。ECおよびアド事業での成功経験を活かし、2016年2月にBOLSTER株式会社を設立。同社で代表取締...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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