矢野経済研究所は2025年12月4日、2024年の国内アパレル市場に関する調査結果を公表した。紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー服・洋品を合計した2024年の国内アパレル総小売市場規模は8兆5,010億円と推計され、前年比で101.7%となった。成長率は前年度より鈍化したものの、4年連続で市場規模が拡大した。コロナ禍前の2019年比では、約93%まで回復している。

販売チャネル別の動向では、百貨店や専門店などリアル店舗が堅調さを維持している。特に百貨店では、訪日外国人客によるインバウンド需要が高い水準で推移していることが要因の一つに挙げられた。
Eコマース(EC)については、2020~2021年のコロナ禍で需要が拡大した後も、一過性のものとならず安定した需要が続いている。アパレル企業各社が実店舗とECの相互送客を行うOMO戦略を強化したことも、EC利用が定着した背景とされている。
今後の市場について矢野経済研究所は、2030年ごろまでは2024年比で微増水準を維持すると予測。少子高齢化・人口減少が長期的に影響するものの、原材料や物流費、人件費などの上昇による商品単価の上昇が減少幅を抑制すると考えられる。
【調査概要】
1.調査期間︓ 2025年7⽉〜9⽉
2.調査対象︓ アパレルメーカー(総合アパレル,メンズアパレル,レディスアパレル,ベビー・⼦供アパレル他)、⼩売業(百貨店,量販店,専⾨店,その他)、商社・卸その他
3.調査⽅法︓ 当社専⾨研究員による直接⾯談(オンライン含む)、郵送によるアンケート調査、ならびに⽂献調査併⽤
