株式会社PLAN-Bマーケティングパートナーズは、生成AIツールを日常的に使用する全国10代〜60代の就業者484名を対象に、「生成AIツール利用実態調査」を実施したと発表。同調査によって、AIユーザーの半数以上が目的や環境に応じて複数のAIツールを使い分けている実態が明らかになった。

生成AIツールの使い分け状況 半数以上が複数ツールを使い分け
普段から生成AIツールを使用しているユーザーに複数の生成AIツールを使い分けているか聞いたところ、全体の53.3%が複数の生成AIツールを使い分けていることが判明。

年代別では、特に10〜30代で約6割が複数利用、60代では単一ツール利用が65.6%と答えており、年代が上がるほど慣れたツールを固定的に使う傾向が強く見られた。

なお、「使い分けている」と回答した人の内訳は、「目的や作業内容によって使い分けている」が50.0%、「作業環境や状況によって使い分けている」が19.4%、「どちらもある」が29.8%、その他0.8%で、単なる併用ではなく、シーンごとの最適ツールを選ぶ意識が浸透している様子がうかがえた。

シーン別の利用傾向 ChatGPTが主軸、GeminiとCopilotが目的別補完で存在感
シーン別に利用している生成AIツールを聞いたところ、いずれのシーンでもChatGPTが最多で、次いでGeminiという結果に。
1位のChatGPTを除いた傾向を見ると、「製品やサービスの比較・検討」「プライベートな質問・雑談」ではGemini、「調べもの・情報収集」ではGoogle検索のAIモード、「専門用語の理解や文章の要約」「レポート・表・グラフなどの作成」ではCopilotが比較的高い利用率となった。

また、「AIは使わない」という回答で多かったのが「レポート作成(29.3%)」や「画像生成(27.3%)」で浸透しきっていない領域があることも浮き彫りに。一方で「調べもの(5.4%)」や「要約(11.0%)」「雑談(12.2%)」では非利用層が少なく、AIが生活や検索行動に自然に溶け込んでいる様子がうかがえる結果となった。
複数ツールの併用構造 ChatGPT中心に多様化
併用の組み合わせとしては「ChatGPT × Gemini」が最も多く(21.9%)、次いで「ChatGPT × Copilot(10.5%)」「Gemini × Google検索AIモード(8.9%)」が続く結果に。全体では「汎用AI同士の併用」が約6割を占め、使い勝手の良い汎用的なAIを目的や環境に応じて使い分けている様子がうかがえるようになった。
また、ClaudeやPerplexityなど特化型AIを組み合わせる層も約3割に達し、ツール特性を理解した上で最適な選択を行うリテラシー層の形成が進んでいる状況が見える結果となった。

生活シーンでの活用傾向 生活や購買の情報収集・個人的な相談まで多様化
AIツールを活用している日常シーンについて最も多かったのは、「生活のアイデアや工夫を探す(料理・掃除・節約など)(51.3%)」、次いで「ニュースや気になる話題をチェックする(50.3%)」「旅行・買い物などの計画を立てる(34.9%)」という結果に。特に「生活のアイデア」や「ニュースチェック」など日常行動に密接した領域での利用が多いことから、生成AIが「調べる」だけでなく「日々の判断や行動を支える存在」として浸透しつつあることがわかった。また、「お金やキャリアの相談」や「悩み相談」など、より個人的・内面的なテーマでの活用も一定数見られたことから、AIとの心理的距離が着実に縮まってきている様子もうかがえたと同社は発表している。

調査概要
- 調査名称:生成AIツール利用実態調査 2025
- 調査期間:2025年10月21日 ~ 2025年10月27日
- 調査対象:全国10代~60代の、日常的に(週に数回以上)生成AIを活用している就業者
- サンプル数:484名
- 調査方法:インターネットアンケート調査(Freeasy)
※グラフの数字は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合あり。
