アスクル株式会社は、2025年10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害に関する復旧状況の第6報を発表した。
同社はサービス復旧の基本方針として、事業所顧客の業務継続を最優先とし、ASKUL(事業所向け)サービスから先行して対応。10月29日より開始した第1弾のFAX注文・手運用出荷トライアルでは、医療機関・介護施設を含む一部顧客向けにコピーペーパーなど37商品の出荷をFAX注文にて受け付け、新木場物流センターとASKUL大阪DCの2拠点から出荷。11月12日には、ASKUL仙台DC、ASKUL横浜DC、ASKUL名古屋DC、ASKUL関西DC、ASKUL福岡DCも出荷拠点として追加し、対象顧客、対象商品を拡大して従来の出荷能力の1~2割程度にまで回復させるという。
今後は、11月中に既に対応しているFAX注文に加えて、ソロエルアリーナウェブサイトでの注文を再開予定。237アイテムの箱単位注文商品(上記7拠点からの出荷)に加え、医療機器・衛生材料等メディカル品約470アイテム(ASKUL東京DCからの出荷)の単品注文にも対応するとのこと。本格復旧は2025年12月上旬以降を見込んでいる。
なお、その他サービスの現状や復旧見込みは次の通り。
- LOHACO:現時点では出荷トライアル運用対象外。サービス再開時期は確定し次第告知
- パプリ(印刷サービス):11月中旬より一部顧客からFAXでの注文を開始予定(対象顧客には個別案内)。サービス全面再開時期は確定し次第告知
- ビズらく:システム、ウェブサイトの安全確認を実施の上、通常サービスを提供中
- SOLOEL:システム、ウェブサイトの安全確認を実施の上、通常サービスを提供中(SOLOEL内サプライヤーとしてのアスクル株式会社は出荷を停止中。出荷再開時期は確定し次第告知)
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アスクル外部カタログ連携(直販モデル含む):現時点では出荷トライアル運用対象外。サービス再開時期は確定し次第告知
システム障害、情報流出などへの対応状況について、同社はシステムの詳細なログ解析、異常に関する監視、原因・障害対象範囲の詳細調査を継続していると報告。第5報(2025年10月31日)で発表された同社保有情報の一部が外部流出した件については、対象顧客、取引先に順次個別連絡を行っているという。ランサムウェアに関する詳細については、被害拡大を防ぐため情報開示を差し支えているが、個人情報保護委員会への報告、警察への相談等、関係各所への報告、相談を適切に行い、一日も早い全面復旧に向けた作業と進捗共有を継続的に行っていくとのこと。
