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[対談]オムニチャネルの先にあるもの リアル小売の逆襲はここから始まる

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実店舗を持つ企業のEC、そしてオムニチャネルはこの先どこへ向かうのか。コメ兵藤原義昭さんとメガネスーパー川添隆さんの対談をお届けします。

オムニチャネルが当たり前になった、その先にあるもの

――おふたりとも、リアル店舗から始まった小売企業で、デジタル領域を見ていらっしゃるという共通点があります。現在はどんなことに注目し、取り組んでいらっしゃいますか?

藤原(コメ兵) リアル店舗とECをどうやって連携させ、お客様に行ったり来たりしていただくかを考えています。それを実現するには、まず、”事業デザイン”が必要です。事業デザインとは、見た目としてのデザインではなく、お客様と一緒に物語を作っていくということ。日本のEC業界はまだまだなのですが、海外の先進企業はそこを重視して必死に取り組んでいます。

具体的に何をしていくかというと、これまで、縦割組織によってバラバラの点だったものを結んで線にしていく。デジタルの施策としては、お客様のニーズを見つけ、そこに最適なソリューションを導入していくというものです。これからはそれができないと、企業が生き残っていけないんじゃないかと考えています。

川添(メガネスーパー) 事業者間の垣根がなくなり、メーカーもダイレクトにモノを売るようになってきています。小売業としては、購入前はもちろん、購入後も、ユーザーと継続的なコミュニケーションをとっていく必要があるなと考えています。つまり、買った瞬間に価値が最大化するのではなく、価値を永続的につなげていくということです。

藤原 そうですね。10年以上先も、お客様とどうやってお付き合いしていくかを考えるということですよね。媚びるわけではないけれど、嫌われないようなふるまいも非常に重要だと思います。 Instagramの投稿ひとつとっても、店員の身だしなみひとつとってもそう。

────オムニチャネルという単語については、ひとつのブームが去った感じですが、どのように捉えていますか。

川添 オムニチャネルは、ブームか否かではなく、永続的にやり続けるものです。ECについて言えば、自分たちの売り場の改善ポイントを上げたらきりがない。その中から優先順位をつけて改善していくのですが、やろうと思ったらいくらでも改善点が出てくる。それを店舗のデータとつないで……とオムニチャネル化していくと、さらに改善ポイントが増えていきます。

藤原 企業側がオムニチャネルと表現している行為は、ユーザーとしては当然のように行っているので、ブームが去るというより、名前自体がなくなったということだと思います。どこで買おうかなと思った時に、スマホで買うか、店舗行くかはどちらでもいいし、どちらも利用しますよね。

とはいえ、企業はまだまだそれに追いつけていなくて、オムニチャネルについて他の事業者さんからご相談を受ける機会も多いのですが、「何から始めていいかわからない」という段階のところもまだ多いようです。

それに対する回答としては、「まず、ECをやり、ウェブでマーケティングをやり、店舗とつなげましょう」と言います。いきなりバッチ処理を使って、在庫連携を一発でやろうとしても無理ですから。また、それぞれの企業が持っている資産や強みは異なります。まずは、スモールスタートでできるところから始め、PDCAを回して、良かったところを伸ばしていく。その繰り返しでいいんだと思います。

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