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セブン&アイのオムニチャネルは実現可能なのか 決算書の数字から考える

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イオン(8267)と流通2強を形成しているセブン&アイ・ホールディングス(3382)は、2018年度のEコマース売上高1兆円を掲げる。同グループは、Eコマース事業をネットと実店舗を連動させる「オムニチャネル戦略」としているが、はたして実現は可能なのか?

15年度決算で初開示 セブン&アイのEコマース売上規模

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は、15年度決算で初めてある金額を開示した。Eコマースの売上規模である。

 同グループは、正式な連結売上高とは別の金額を数年前から開示するようになっている。世界のセブン‐イレブン全店を含めた売上高である。その10兆円規模の金額を発表した時ほどのインパクトはなかったものの、ある種の自負や意気込みを感じさせたのは同じである。10兆円超の金額開示は、イオンに売上高で逆転されたことがきっかけだった。今回のEコマースの売上金額開示も期するところがあるのだろう。

 セブン&アイHDは、通販部門と配達部門、それにグループ化したカタログ通販ニッセンHD(8248)の子会社であるニッセンのEコマース部門の売上を合計。それをオムニチャネル売上高としている。15年度実績は1,418億円だった。

 今年度計画は4,000億円。それを17年度は6,000億円まで伸ばし、18年度に1兆円にする計画だ。売上高アップを目指し、オムニチャネル専属の商品開発も進め、15年度300万アイテムを18年度は600万アイテムと倍増させるともいう。

EC売上高1,418億円の内訳 「配達型」と「通販型」

 1,418億円の内訳を見てみよう。セブン&アイHDのEコマース事業は、イトーヨーカ堂の店舗が運営主体となり、各店舗の商圏内の顧客から注文を受け、最短4時間で店頭と同価格・指定時間に届けるサービス、それに食事配達サービス(セブンミールサービス)の「配達型」が中心だ。

 15年度の実績は、イトーヨーカ堂の配達サービス(会員約220万人)は約469億円で、セブンミールサービス(会員約77万人)は250億円だった。セブンミールサービスは500円以上(税込)から配達無料、500円(税込)未満の場合は123円(税込)である。

 いわゆる「通販型」では、書籍やDVDなどの販売を手がけるセブンネットショッピングが86億円強、赤ちゃん本舗が66億円弱、ニッセンが517億円弱などだった。

 ニッセンHDの連結売上高そのものは1,572億円だが、Eコマースとしてカウントしているのは517億円弱ということなのだろう。ちなみに、ニッセンのチャネル別売上は、スマートフォン、パソコン、カタログのそれぞれが33%前後とほぼ同率である。

 いずれにしても、セブン&アイHDの15年度Eコマース売上高は1,418億8,400万円。グループ全体の売上高6兆457億円に占める割合は2.3%だった。

 セブン&アイHDが目指す、18年度Eコマース売上高1兆円は、15年度実績のほぼ7倍である。

 ネット通販世界最大手のアマゾン・ドット・コム(米)の日本での売上高に匹敵する金額でもある。アマゾンは13年73億ドル、14年79億ドル、15年83億ドルと日本での売上を伸長。1ドル105円で換算すれば8,020億円、8,307億円、8,677億円である。


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