最適なタイミングで最適な情報を発信すれば、メールは読まれる
SMS、アプリプッシュ、LINEなどさまざまなプッシュ型施策がある中で、リーチボリュームが大きく、二次コストが安いメールは、これからも主要なプッシュ型施策であり続けると中澤氏は言う。
SNSやLINEの登場により、メールというチャネルは終わったという世論は後を絶たない。そんな中、ガリバーインターナショナルではある実験を行い、「開封率45%」という驚異的な数字を叩き出した。
「たいしたことはしていません。お客様の購買意欲がもっとも高いタイミングで、『車を入荷しました』というメールを送っただけ。お客様は、情報が欲しい時にはいくらでも欲しいものです。つまり、その情報を届けるタイミングが重要であり、最新のマーケティングツールを活用すれば、それが実現できるようになっています」
最適なタイミングで最適な情報を届けるためには、前提として正確なメールアドレスを保有している必要がある。しかし、その正確性がユーザーの入力に委ねられているため、企業側がコントロールしにくいのが悩みどころだ。
ガリバーインターナショナルでは、ユーザーがエントリーフォーム上で、どの程度誤入力を引き起こしているかを把握するため、エクスペリアンジャパンの「Email Validation」が持つサービス「List Cleansing」を活用し、直近1ヶ月で獲得したメールアドレスにクレンジングをかけた。すると、10%のメールアドレスに誤入力があると判明した。
「10%の割合が高いか低いかは人それぞれですが、私は非常にまずいと感じました。もしすべてのメールアドレスを広告媒体から獲得していたとして、メールアドレスの獲得自体がCVだとした場合、単純にCPAを10%悪化させたということになります。10億の広告投資であれば、1億を失ったということですね。
また、LTVに換算するとさらに大きな損失になります。もし年間で10万人のメールアドレス獲得機会があれば、10%の誤ったメールアドレスがもたらす損失が、数千万円になる場合もあります」
誤入力を防げない原因は、ユーザーがメールアドレスのタイプミスに気づく術がない点にある。このタイプミスをエントリーフォーム入力時に気づかせ、正確なメールアドレスの入力をアシストすることができたなら、10%の顧客が売上げに繋がったかもしれないと中澤氏は語る。
今回活用したエクスペリアンジャパンの新ソリューション「Email Validation」は、メールアドレスの誤入力防止に貢献するだけでなく、LTV向上を考慮した新たなテクノロジーであると紹介し、次のセッションにつなげた。