運営堂・森野さんはなぜ毎日、メルマガを出すのか。アクセス解析ライター誕生の秘密
(ワダ)森野さんはウェブの分析屋さんが本業だと思いますが、ウェブメディアでの執筆活動にも精力的です。今に至るまでの、ご経歴から聞かせていただけますか?
(森野)以前は、名古屋のウェブの制作会社で営業をやっていたんです。その頃に、ウェブサイトを作っても売れない、問い合わせが来ないといった理由で、クライアントから怒られることがありました。基本的にウェブ制作会社は納品したら終わりなんですが、納品後にも何かできないかと考えていたところ、アクセス解析が出だしたんです。そこで勉強を始めると、Googleから無料でツールが出るらしいということになり、つまり、Google アナリティクスの登場です。これは間違いなく来るだろうと思い、細々とブログを書いたり調べたりしていました。
(ワダ)Google アナリティクスが出る前からアクセス解析をやってたということは、何年くらい続けているんですか?
(森野)もう11~12年かな。
(ワダ)そんなに長くなるんですね。脚光を浴びたのはいつですか?
(森野)脚光を浴びたわけでもないのですが、アクセス解析についての話し相手が欲しいから東京へ行こう!と思い始めた頃に、アクセス解析協議会の「a2i」ができて、ほぼ毎回セミナーに参加していました。そうしたら事務局長の衣袋さんたちと仲良くなって、書いていたブログがメルマガに取り上げてもらえるようになったんです。Google アナリティクスについて書いている人があまりいなかった、早かっただけだと思います。
(ワダ)なぜ、ブログを書いたんですか?
(森野)その頃には独立してひとりでやっていたので、ブログくらい書かなきゃいけないだろうと。
(ワダ)どうして独立したんですか?
(森野)単純に言うと雇われるのが無理だったっていう。社会不適合者みたいな(笑)。それなら、自分から営業をかけるよりも、「お仕事お願いします」と頼まれるようになったほうがいいだろうと考えました。頼まれるにはそれなりのことをしようと思って、まずはブログを書くことにしました。
アクセス解析は、日々の情報収集が欠かせません。それでRSSに登録すると、未読ができるじゃないですか。それを読んで、ブログにまとめて公開すれば全部読むようになるだろうと思ったのも理由のひとつです。そうしたら、読んでくれる人が増えてきたと。
(ワダ)メルマガは平日の朝、毎日ですよね。書くようになったのはいつですか。
(森野)ブログを始めて7年、ニュースのまとめを始めてから2年ぐらいのタイミングです。メルマガにしたのは、ブログを見に行くのがめんどくさいという声があったからです。土日と年末年始と、ニュースがないときはやってないです。
(ワダ)でもすごいですよね。今もやってるんですか?
(森野)やってます。単純にやめられなくなったから。やめる理由とタイミングを失った感じです。旅行に行ってもやってますかね。あまりにも毎日やってるんで、お風呂入らないと落ち着かないってそんな感じです。
(ワダ)じゃあ、やめるつもりないんですね。
(森野)やめてもいいんですけど、やめたらどうなるかわかんないですね、自分が。不安になるかもしれないです。
ソーシャル時代、ブログとメルマガは仕事につながるのか
(ワダ)仕事につながったりしてるんですか。
(森野)いっぱいつながってます。インプレスさんの「ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ」も、このブログのようなものをネット版でやってくれと言われて始まりました。それを見ている人が多くて、新規のお客さんのところに行っても、自己紹介しなくても済んだりするので楽ですね。
(ワダ)メルマガを継続することは苦じゃないんですね。
(森野)もう、5年もやれば。 最初は4時間ぐらいかかったので。どんだけ暇だったのかって話ですけど(笑)。
(ワダ)じゃあ独立したての時間があるときに始めたのが、よかったんですね。
(森野)そうですね。今は1時間もあればできます。スマホが出たというのも大きいですけどね。
(ワダ)10年前と比べたらソーシャルのシェアも広がりましたけれど、メルマガはまだ読み続けられてるんですか?
(森野)読んでるかどうかわからないですけど、今だと1,500人ぐらいに配信しています。
(ワダ)どういう読者が多いんですか?
(森野)もう全然わかんないです、メールアドレスしかわからないので。ドメインを見ると、ウェブ系も多いんですけど企業もあったり、たまにお役所もあったり、どこで知ってるのか全然わかんないです。
(ワダ)そこはアクセス解析しないんですね。
(森野)それ知っても、何もできないですよ(笑)。
(ワダ)確かに(笑)。営業もかけない主義だし。
(森野)そう、営業しないし、逆に顔が見えすぎると書けなくなりますね。[続く]
続き⇒ 第2回「バスケと同じ? 運営堂・森野さんに聞く、理系の文章力向上術とは」