売上高約11兆円!も営業利益率0.2.% アマゾンの数字を見る
アマゾンの14年度売上高は889億ドル。1ドル120円換算で、およそ10兆7,000億円だ。同社と同じ米国企業でいえば、マイクロソフトと肩を並べる水準であり、約22兆円のアップルには劣るが、8兆円弱のグーグルを上回る規模である。
日本企業との比較では、ホンダ(12兆6,467億円/7267)や日産自動車(11兆3,752億円/7201)、NTT(11兆953億円/9432)にはやや及ばないものの、日立製作所(9兆7,619億円/6501)やソフトバンクグループ(8兆6,702億円/9984)を上回る、といったところだ。
アマゾンの日本での14年度売上高はおよそ9,500億円である。同社にとって米国、ドイツ、イギリスの次ぐ4番目の市場だが、その日本のネット通販市場で競う楽天(5,985億円/4755)と比較すると、全体売上高はおよそ18倍と圧倒する。
2000年度比では32.3倍、10年度からでも2.6倍も売上高を伸ばし、世界有数の企業に成長してきたアマゾン。ただし、前述した他社とは明らかに異なる顔を持つ。利益率が極端に低いのだ。いや、高いマージンの獲得をあえて拒否し、薄利主義に徹しているようにすら見えるほどだ。
事実、上の図にもあるように、営業利益率は低い水準での推移である。30%台をマークしているマイクロソフト、20%台のアップルやグーグルとは対照的。楽天にしても10%台後半をキープしている。
「淘宝網(タオバオ)」などのサイトを運営し、急成長を実現している中国最大手のアリババ・グループ・ホールディングス(HD)との比較でも、営業利益率の差は明らかだろう。
それどころか、アマゾンは2000年度から14年度までの15期中、5回も最終赤字を計上している。14年度も11兆円に届くかという売上高にもかかわらず、300億円に近い最終赤字だった。薄利多売の赤字体質にあるといっても過言ではないようだ。