SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

EC関連企業の財務状況をきまぐれにチェック

売上高11兆円目前も、赤字体質のアマゾン 経営の数字から未来を読む

ネット通販とクラウドサービスの先駆者にして王者として君臨する、米アマゾン・ドット・コムの財務状況を改めて確認しておこう。

売上高約11兆円!も営業利益率0.2.% アマゾンの数字を見る

 アマゾンの14年度売上高は889億ドル。1ドル120円換算で、およそ10兆7,000億円だ。同社と同じ米国企業でいえば、マイクロソフトと肩を並べる水準であり、約22兆円のアップルには劣るが、8兆円弱のグーグルを上回る規模である。

ちなみにこちらの写真は、Amazon.co.jpの多治見フルフィルメントセンター

 日本企業との比較では、ホンダ(12兆6,467億円/7267)や日産自動車(11兆3,752億円/7201)、NTT(11兆953億円/9432)にはやや及ばないものの、日立製作所(9兆7,619億円/6501)やソフトバンクグループ(8兆6,702億円/9984)を上回る、といったところだ。

 アマゾンの日本での14年度売上高はおよそ9,500億円である。同社にとって米国、ドイツ、イギリスの次ぐ4番目の市場だが、その日本のネット通販市場で競う楽天(5,985億円/4755)と比較すると、全体売上高はおよそ18倍と圧倒する。

 2000年度比では32.3倍、10年度からでも2.6倍も売上高を伸ばし、世界有数の企業に成長してきたアマゾン。ただし、前述した他社とは明らかに異なる顔を持つ。利益率が極端に低いのだ。いや、高いマージンの獲得をあえて拒否し、薄利主義に徹しているようにすら見えるほどだ。

 事実、上の図にもあるように、営業利益率は低い水準での推移である。30%台をマークしているマイクロソフト、20%台のアップルやグーグルとは対照的。楽天にしても10%台後半をキープしている。

 「淘宝網(タオバオ)」などのサイトを運営し、急成長を実現している中国最大手のアリババ・グループ・ホールディングス(HD)との比較でも、営業利益率の差は明らかだろう。

 それどころか、アマゾンは2000年度から14年度までの15期中、5回も最終赤字を計上している。14年度も11兆円に届くかという売上高にもかかわらず、300億円に近い最終赤字だった。薄利多売の赤字体質にあるといっても過言ではないようだ。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
投資CFは2兆円強の赤字も、いつでも新規投資できる態勢にある

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
EC関連企業の財務状況をきまぐれにチェック連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ビジネスリサーチ・ジャパン(ビジネスリサーチ・ジャパン)

1995年設立。代表・鎌田正文。週刊誌や月刊誌、経済誌などを中心に、金融・流通・サービス・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材・執筆。著者に『図解! 業界地図 2023年版』(プレジデント社)、『図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本 2012年版』(新人物往来社)、『図解 人気外食店の利益の出し方』(講談社+α文庫)、『[図解]儲けの秘密がよくわかる本』(PHP研究所)、『[図解]気になるあの会社の給料がわかる本』(PHP研究所)『取締役の値段 6: 社会インフラ関連業界 [Kindle版] 』『数字でわかる! あの企業・店舗が儲けている仕組み』など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/1982 2015/07/10 08:00

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年8月27日(火)10:00~19:15

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング