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[対談]良品計画川名さん×キタムラ逸見さん お客様との会話を楽しむためのデジタル活用とは

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 キタムラの逸見さんが、企業のオムニチャネル推進者と対談するコーナー。良品計画・川名常海さんが登場する第2回の後編は、実店舗を持つ企業のお客様とのコミュニケーションについて。そのためにデジタルをどう活用すればいいのかについて迫ります。

この記事には前編があります。先に読んでいただくと、よりこの記事も楽しんでいただけると思いますので、どうぞご参照ください。前編はこちら

売上や利益は、顧客の支持からできている

川名(良品計画) 当社の取り組みを俯瞰で見ると、企業活動というより、市民発の生活美学運動と表現したほうがいいと思います。「人間」や「自然」から考えたときに、こうあるべきだというものを目指しているからです。

味が同じなら割れた椎茸でいい。華美なデザインでなくていい。組み立て式で長く使える棚がいい。そういったことを提案していて、それをひとつの運動と捉えています。顧客も、無印良品とはそういうブランドだと理解してくれていると思います。

『Power to the People』ではないけれど、企業や資本の論理に押し込められ、決められてではなく、あくまでも主役は人間。その人間が立っている「自然」の上に企業活動が成り立つことで、これからの未来を一緒に創造していく。そんなブランドが、無印良品がなんです。

逸見(キタムラ) 「消費者」や「顧客」といった表現がありますが、そもそも皆、「生活者」なんですよね。生活者が買い物をする瞬間は、消費者になったり、顧客になったりするけれども、それは目的ではなく、生活する手段のひとつ

そして、その生活者自身が情報発信していく時代でもある。これまでは、ただのひとつの声として消えていったものが、ソーシャルメディアでは企業やメディアのメッセージと対等なものとして、発信されるようになっていますからね。

株式会社良品計画 WEB事業部 部長 川名常海さん

川名 2013年頃、「ふかひれスープ」の不買運動が起きました。各国のブランチに抗議活動が寄せられ、当初は静観していましたが、やはり、企業としてメッセージを出すべきだという判断で、リリースを出したんです。

「サメを乱獲し、ヒレだけ使って他は捨てている」といった運動者の言い分に対して、事実を説明しました。ふかひれスープの原料となるサメは、絶滅危惧種の中でもランクが低いものであり、フカヒレを捕獲した後の部位は、工芸品や健康食品などに利用し、余すことなく使っているということを発信しました。さらに、契約している港のひとつに気仙沼港があり、その地域のサポートも含めて、今後も販売していきますと。

そうしたら、ソーシャルメディア上でわっと盛り上がったんです。ほとんどが「無印良品、頑張って」という声でした。そして、翌週のふかひれスープの売り上げがなんと、4倍になった。結果的に、商品が売れたわけです。意図しない顧客とのコミュニケーションによるものです。でも、意図して4倍売るのって、難しいじゃないですか。

逸見 4倍という数字はすごい、企業への支えですね。生活者の方が、何かしらの手段でそのニュースを知り、無印良品を支持したいと思う。どう行動に移すか考えて、店に買い物に行くという行動をとってくれたわけです。忘れがちですけれども、売上や利益が何からできているかというと、顧客の支持でしょう。「買い物=企業への支持」なんです。

川名 共感、賛同ですよね。今、商品の価値を測ることが難しくなっています。別の企業の商品が、同じ工場の、隣のラインで作られているということもあるかもしれない。だとしたら、商品そのものにほとんど差はないでしょう。そうなった時に、何が決め手になるのかですよね。


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連載:逸見さんが今日も行く!オムニチャネル対談

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