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2019年アパレル向けRFIDタグ国内流通総数は推計24億7,149万枚に/矢野経済研究所調査

 矢野経済研究所は、国内ファッション産業におけるデジタルテクノロジー戦略を調査し、プロセス別の動向、今後の方向性を明らかにした。そのなかから、アパレル向けRFIDタグの国内流通総数予測について公表した。

調査結果概要

 アパレル企業が不良在庫を生み出す根源的な要因は、見込生産である。製品数やサイズ、色、柄、流行、シーズンサイクル、天候など多くの不確定要素が多いアパレル製品は元来需要予測が難しく、見込みで生産せざるを得ない。さらに、生産コストの削減を追求するために、海外のサプライチェーンでモノづくりを行い、大量生産を進めていく。その結果、大量の不良在庫が年々積み重なる悪循環から抜け出ることができない。

 最終不良在庫は原料から糸、テキスタイル、縫製に至るすべてのプロセスで費やした資源、エネルギー、労働力を濫用し、地球環境に悪影響を与えており、ファッション産業は在庫の適正化に向かう必要がある。需要予測の精度を高くすることで見込み生産を最小限にとどめて、不良在庫を軽減するにはデジタルテクノロジー(ファッション産業にとってのDX)の活用が有効であり、アパレル向けRFIDタグへの期待は大きい。

 RFIDタグは、将来的にはサプライチェーンを一気通貫して管理するポテンシャルを持っている。ファッション製品向け商品タグ(下げ札など)のうち、RFIDタグ付きの下げ札の2019年国内流通総数を24億7,149万枚と推計した。RFIDタグの平均価格低下を背景に、RFIDタグ導入が広まっており、2017年にファーストリテイリングがGUでセルフレジを導入したことを皮切りに、アパレル業界ではRFIDタグへの関心度が高まっている。

注⽬トピック

 ファッション産業の業務フロー別にデジタル化のポテンシャルをまとめると、次のとおり。

企画・製造

 布類は柔軟な素材でできているため、⾐服製造⾃動化による効率的な製造が難しい。企画・製造⼯程においては、3D CADによってサンプル作成のスピードをあげるなど、適正在庫を目指す取り組みは進められている。一方、企業と工場をマッチングするなど、サプライチェーン自体に関わるソリューションはまだ取り組みが少なく、今後の動向を注視する必要がある。

販売・販売促進

 小売業の販売・販売促進への取り組みはここ数年増えており、デジタルテクノロジーの導入でもっとも盛んな分野である。アパレル業界という切り口でみると、リアル店舗やウェブで展開できるサービスにはまだ広がりがあるが、D2Cのビジネスモデルは拡大しており、D2C支援のプラットフォームも増える見込みである。

管理

 管理におけるデジタルテクノロジーの中心となるのは、RFIDタグの普及・活用である。RFIDはこれまで、棚卸の効率化を目的としていた。現在は在庫管理などを目的としたRFID導入のステップにあり、次のステップはRFIDソリューションを活用し、アパレル企業がセルフレジやマーケティングに取り組む段階である。

採寸

 採寸におけるデジタルテクノロジーとは、主に3Dボディスキャンを指す。3Dボディスキャンは、データが蓄積しビッグデータになり、ECなどで利用できるようになれば、市場拡大につながる。ドラスティックな成長戦略を描くには、スキャン回数向上の壁を越えなければならない。

調査概要
  • 調査期間:2020年5月〜7月
  • 調査対象:ファッションのデジタルテクノロジー戦略に関わる主要企業
  • 調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む) 、アンケート調査 、ならびに文献調査併用

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