長瀬産業は、化学品に特化した「化学品AI共同物流マッチングサービス」の提供を開始した。同サービスでは、日本パレットレンタル(以下、JPR)が提供するAI共同輸送マッチングサービス「TranOpt」(トランオプト)のシステムを活用。長瀬産業が化学品を取り扱う国内企業を対象に提供・運用するもので、共同物流の成立時に手数料が生じる成功報酬型のサービスとなっている。
近年、トラックドライバー不足の深刻化や運送業法改正による危険品物流の規制厳格化などの外部環境の変化に加え、化学品においては安全面において一般品貨物との混載制限といった輸送の難しさや、臭いなどの問題から物流会社からも取り扱いを敬遠されるなど、化学品輸送の継続性が課題となっている。
化学品の取り扱いに関する知見や化学品メーカー、物流会社などとのネットワークを有する長瀬産業では、2022年5月に化学品を取り扱う企業を対象とした研究部会を立ち上げ、共同物流マッチングサービスの実証実験を開始。JPRより「TranOpt」のライセンス提供を受け、参加企業である化学品・塗料・インキなどを取り扱う取引先や物流会社など約20社を対象に、マッチングから共同物流までの検証をおこなった。
同サービスでは「TranOpt」に実装されたAIにより危険物の混載を制御する新機能も利用が可能。また、荷主とドライバーとのマッチングを行う従来のサービスとは異なり、荷主同士をマッチングさせることで、定期運行されている効率の低い輸送便を対象にマッチングが可能となり、輸送の効率化によりコスト削減やGHG排出量削減といった効果が期待される。
今後は、輸送に関わる倉庫のマッチングなど、化学品の物流に関わる新たな機能の充実などを目指しながらサービスの展開を図っていくという。