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再上場するオークネット、同業他社との比較から財務状況やポジションをチェック

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 中古車ネットオークションのオークネット(3964)が、ほぼ9年ぶりに株式市場に戻ってくる。同社は2008年に上場を廃止していたが、3月29日に再上場する。

再上場するネットオークションのオークネット、財務状況は健全

  正月明け早々に移転問題で揺れる築地市場の初セリで、本マグロが7,000万円を超える高値で落札されたと聞き驚いた人は多いだろうが、オークネットが手がけるオークションもセリそのものである。

 ただし、オークネットの場合、築地市場のようなセリ施設を運営しているわけではない。オフィスにあるオークションブースには、出品者や落札者の姿もなければ、セリ台の用意もない。落札を意味するハンマー(木槌)を叩く音が響くわけでもない。

 オークネットは、中古車のテレビオークションでスタートした会社だけに、オークションをネットで完結させるビジネスが主力である。具体的には、ネットを活用した映像や文字情報のみで「売り」「買い」に参加できる、ネットワーク型オークションシステムの提供だ。それが同社のビジネスの根幹である。

http://www.aucnet.jp/

 ヤフオク!などネットを利用したオークションに似ていなくもないが、オークネットが手がける各種商材のオークションに参加できるのは、中古車販売業者など会員に限られる。いわば、プロ限定であり、誰もが参加できるネットオークションと大きく異なる点だ。

 オークションを通して出品・落札という取引にコミットするだけに、商材に対する信頼性が欠かせない。厳正で公平な検査は同社のウリのひとつであり、とくに中古車両の検査基準は業界のスタンダートになっているといっていいだろう。

 主な収入源は、会費収入とオークション手数料である。扱う商材は、中古車を中心に中古の二輪車・医療機器・ブランド品・デジタル機器など幅広い。生花店や葬儀・ブライダル業者向けには、花き(切花・鉢物)のネットオークションサービスも提供。出品代行や輸送代行などにともなう収入があるほか、データ消去ソフトを使用するサービスも手がけており、通信大手のKDDI(9433)からは、モバイル端末のデータ消去関連業を受託している。

14年12月期 14年12月期 15年12月期
売上高 167.9億円 192.9億円
営業利益率 18.5%
21.8%
経常利益率 19.3% 22.0%
純利益 12.5億円 20.3億円
配当金 0円 0円
法人税等 15.7億円 16.6億円

 15年12月期の売上高は、前年比15%増の192億円。売上高営業利益率は22%弱である。受取配当金などの営業外収益が営業外費用を上回る状態になっており、売上高経常利益率は営業利益率を上回る。財務状況は健全であると見ていいだろう。

 年間で16億円前後の法人税等を納税しており、あとは上場後の株式配当に注目したいところだ。配当の原資ともなる手持ちの期末現金は100億円規模であり、内部留保(利益剰余金)も40億円超と、上場後の経営成績次第とはいうものの、基本的には配当は可能だろう。

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