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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

EC関連企業の財務状況をきまぐれにチェック

売上高11兆円目前も、赤字体質のアマゾン 経営の数字から未来を読む

ネット通販とクラウドサービスの先駆者にして王者として君臨する、米アマゾン・ドット・コムの財務状況を改めて確認しておこう。

売上高約11兆円!も営業利益率0.2.% アマゾンの数字を見る

 アマゾンの14年度売上高は889億ドル。1ドル120円換算で、およそ10兆7,000億円だ。同社と同じ米国企業でいえば、マイクロソフトと肩を並べる水準であり、約22兆円のアップルには劣るが、8兆円弱のグーグルを上回る規模である。

ちなみにこちらの写真は、Amazon.co.jpの多治見フルフィルメントセンター

 日本企業との比較では、ホンダ(12兆6,467億円/7267)や日産自動車(11兆3,752億円/7201)、NTT(11兆953億円/9432)にはやや及ばないものの、日立製作所(9兆7,619億円/6501)やソフトバンクグループ(8兆6,702億円/9984)を上回る、といったところだ。

 アマゾンの日本での14年度売上高はおよそ9,500億円である。同社にとって米国、ドイツ、イギリスの次ぐ4番目の市場だが、その日本のネット通販市場で競う楽天(5,985億円/4755)と比較すると、全体売上高はおよそ18倍と圧倒する。

 2000年度比では32.3倍、10年度からでも2.6倍も売上高を伸ばし、世界有数の企業に成長してきたアマゾン。ただし、前述した他社とは明らかに異なる顔を持つ。利益率が極端に低いのだ。いや、高いマージンの獲得をあえて拒否し、薄利主義に徹しているようにすら見えるほどだ。

 事実、上の図にもあるように、営業利益率は低い水準での推移である。30%台をマークしているマイクロソフト、20%台のアップルやグーグルとは対照的。楽天にしても10%台後半をキープしている。

 「淘宝網(タオバオ)」などのサイトを運営し、急成長を実現している中国最大手のアリババ・グループ・ホールディングス(HD)との比較でも、営業利益率の差は明らかだろう。

 それどころか、アマゾンは2000年度から14年度までの15期中、5回も最終赤字を計上している。14年度も11兆円に届くかという売上高にもかかわらず、300億円に近い最終赤字だった。薄利多売の赤字体質にあるといっても過言ではないようだ。

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この記事の著者

ビジネスリサーチ・ジャパン(ビジネスリサーチ・ジャパン)

1995年設立。代表・鎌田正文。週刊誌や月刊誌、経済誌などを中心に、金融・流通・サービス・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材・執筆。著者に『図解! 業界地図 2023年版』(プレジデント社)、『図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本 2012年版』(新人物往来社)、『図解 人気外食店の利益の出し方』(講談社+α文庫)、『[図解]儲けの秘密がよくわかる本』(PHP研究所)、『[図解]気になるあの会社の給料がわかる本』(PHP研究所)『取締役の値段 6: 社会インフラ関連業界 [Kindle版] 』『数字でわかる! あの企業・店舗が儲けている仕組み』など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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