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ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

海外カンファレンス ア・ラ・カルト

海外ベンダーの動きから日本市場の未来も見えるかも AIとのかけ合わせで進化するクラウドソリューション

 最新テクノロジーをキャッチアップするには、海外動向に目を向けることも大切です。当連載では、著者が参加した海外のカンファレンスから、EC事業者にも役立つ情報をお届けします。今回は、2023年の夏から秋にかけて開催されたSplunk、VMware、Workdayのイベントを紹介します。

多くのテック企業が買収・体制変更など変化の渦に

 コロナ禍には好業績を収めたテック企業ですが、その後はレイオフの発表が相次ぐなど、いわばローラーコースター状態にあります。今回紹介するSplunkはCiscoに、VMwareはBroadcomに買収となり、独立した企業として参加するのは最後になりそうです。

新CEOが登場 初のハードウエアも登場した「Splunk .conf23」

 Splunkの年次イベント「Splunk .conf23」は2023年7月17日~20日、例年通り米国・ラスベガスでの開催となりました。14回目となり、集まったのは約5,000人です。

「企業がレジリエンスを獲得するためのパートナーがSplunkだ」

 こう述べたのは、2023年3月にSplunkのCEOに就任したGary Steele氏です。同氏にとって初の.conf基調講演のステージとなりました。

Splunk Inc. CEO Gary Steele氏
Splunk Inc. CEO Gary Steele氏

 レジリエンスとはハイテク業界でよく使われる言葉ですが、日本語にすると「回復力」「耐久性」となります。Steele氏は、「問題が発生した際に何が起きているのかを理解して直ちに対応できること」と説明しました。

 Splunkはオンプレミスからクラウド、ログ管理からオブザーバビリティ、セキュリティへと、事業モデルの変換やテリトリーの拡大を続けてきました。特にここ数年は、激動期となっています。2021年に投資会社Silver Lakeniによる投資の受け入れを発表。直後に、長年Splunkを率いてきたDoug Merritt氏がCEOを退任します。CEO探しの末に抜てきされたのが、テック業界のベテランで、直近にエンタープライズセキュリティ企業のProofpointを共同創業した経験をもつSteele氏です。

 イベントでは、SplunkクラウドソリューションとMicrosoft Azureの提携が最大のニュースとなりました。これにより、既に対応済みのAmazon Web Services(AWS)、Google Cloudと合わせて、三大クラウドのサポートが完成しています。

 加えてユニークな発表だったのが、「Splunk Edge Hub」です。以前からIoT環境でのソリューションを提供していましたが、導入するのは簡単ではありません。そこで、工場や店舗などのデータを収集するためのデバイスとして、同製品を生み出しました。創業20年目にして初のハードウエアとなります。

 製品のサイズは、スマホ以上タブレット以下。この中にセンサーを内蔵し、各種プロトコルをサポート、簡単にデータの収集を始められます。収集したデータはSplunkに流れ、管理することが可能です。初期顧客はこれにカメラを接続し、製品出荷前検査に用いているとのことでした。

Splunk初のハードウェア製品「Splunk Edge Hub」
手元にあるのが、Splunk初のハードウエア製品「Splunk Edge Hub」

 なお、.confではイベント中に流れるマーケティングの動画が楽しかったのですが、体制が変わったためか今回はありませんでした。

 Steele氏がCEO着任となり、新しいSplunkの方向性が見えかけたイベントでしたが、その2ヵ月後の2023年9月下旬に、CiscoがSplunkを買収するニュースが発表されました。金額は280億ドルのビックディールです。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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