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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

猫の手も借りたい中小EC担当者に必須な仕事への考えかた

システム導入の稟議を通すには一手先の想像を 予算のない中小企業で働く人に捧ぐ「最高の人材」になる秘訣

 少人数でEC運営を行い、日々「やるべきこと」に追われている。当月の売上を作るべく奔走するのも成果を出すためには必要なことと言えますが、数字ばかりに気を取られ目の前にいる顧客を忘れてしまっていることはないでしょうか。当連載では、2022年5月までフランツ株式会社のEC事業部に所属していた中林慎太郎氏が自身の経験を踏まえ、中小EC担当者が考えるべき仕事との向き合いかたについて解説します。第2回のテーマは「予算がない中小企業がシステム導入や業務改善に取り組む際のスタンス」についてです。

前回の記事はこちら

考えるコストを自身に課すメリットとは

 中小企業でEC担当をする皆さんであれば、一度はツール導入の問題に直面したことがあるのではないでしょうか。これは結構悩ましい問題だと思います。「うちは予算がないから、できることが少ない」「人がいないから無理」という担当者もいらっしゃるでしょう。

 ただ、日々のその業務に「実際いくらのフィーがかかっているのか」まできちんと考えて、業務を遂行している人はどれだけいるでしょうか。そもそもシステム導入を考える際に、これは「ビジネスをアップデートするための攻めのシステム」なのか、「システムの老朽化や法規制に対応するための守りのシステム」なのか、かかるコストとそれをどうやって回収するか、それらを上回るメリットが存在するか、そしてリスクなどといったことまで考えられているでしょうか。

 たとえば、営業スタッフが100人いる大手企業であれば、RPAを導入して毎日1人あたり1時間の業務削減ができると1日で100時間、週5日稼働であれば1週間あたり500時間を削れます。しかし、社員数の少ない中小企業だとここまでのインパクトを出すことはできません。

 僕も実際、こうした分析をしてシステム導入をする際は、基本的に2年でコスト回収ができるツール導入のプランを立てていました。極端に言うと、2年で回収の見込みが立たないものはできるだけ提案をしないようにしていました。

 しかし、過去には5年間稟議が通らなかった経験があります。普通は5年間も継続的に同じ稟議を通そうとする社員なんていないので、某企業の方に話をした際に「君はばかなの?」なんていわれたりもしました(笑)。

 「稟議が通らない=そこにいろいろな事情がある」のもわかってはいました。しかし、僕にとっては5年たっても会社にとって必要なものだと思ったので、毎年提案をバージョンアップし、提案書も作り直して粘り強く稟議を上げ続けていました。

 ただ、これはあまりやりすぎると、経営者に「この人は『このツールを入れたい』ということだけに執着している」と思われてしまうので、気をつけないといけません。でも、僕は「考える」という行為を通して自分にコストをかけることが大切だと思っています。

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この記事の著者

中林 慎太郎(ナカバヤシ シンタロウ)

1981年三重県生まれ、台湾育ち、神戸市在住。Webデザインに魅了されFlashを独学で学び、東京にてWeb制作会社に入社。芸能プロダクション・テレビ局などの制作に携わる。退職後にフリーランスとして活動をしていたが、シルバージュエリーデザイナーになるために渡米を考え、その資金を貯めるため「神戸フラン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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