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ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

編集部インタビュー

JAタウンのEC戦略:加盟店の個性×YouTube&オンクレの活用で大きく成長

 JA全農が運営する産地直送通販サイト「JAタウン」は、コロナ禍を機に売上を伸ばすなど、EC事業を大きく成長させています。本記事では、JA全農の奥薗氏と池添氏へのインタビューを通じ、JAタウンの概要から、新規顧客獲得、リピート施策、DMMオンクレやYouTubeといった自社EC外の接点の活用、そしてEC運営から得られた学びと今後の展望まで、EC運営の全貌に迫ります。

全国各地のショップの個性が強みに

――まずは、JAタウンの概要と特徴について教えてください。

池添:「JAタウン」は、JA全農が運営する産地直送通販サイトです。日本全国47都道府県から100以上のショップが出店するモール型のECで、国産の農畜産物を中心に取り扱っています。季節によって変動はありますが、常時1万点以上の商品を取り揃えています。

JA全農 フードマーケット事業部 eコマース事業課 池添 駿一氏

――主なターゲット層はどこになりますか。

池添:現状、ご利用いただいている方の年齢層は、比較的高めで40代以上が中心となっています。居住地としては、東京や大阪、名古屋などの都市部にお住まいの方々が多くを占めています。

――都市部の方々が多いとのことですが、JAタウンの利用シーンや選ばれる理由を教えてください。

池添:利用シーンとしては、全国どこへでも配送できる利便性から、有名産地の果物など認知度の高い商品を贈答用として利用いただくことが多いです。たとえば、地元を離れ東京で暮らす方が、自身の出身地の特産品を、お中元やお歳暮として贈るケースがあります。この他にも、母の日、父の日といったギフト用の注文が売上の多くを占めています。

JAタウン

奥薗:選ばれる理由としては、やはり「産地直送通販サイト」である点が大きいと思います。一部商品を除き、JAタウンでは基本的にその産地から直接お客様の元へ商品が届きます。

 また、モール型のECなので、各ショップの個性が選ばれる理由にもなっています。ショップごとに食べ方を紹介したり、商品ページを工夫したりと、それぞれ特色があり、各ショップにファンが付いているケースもあります。

池添:ショップによっては、店長おすすめの野菜詰め合わせなど、個性あふれる商品を販売して売上を伸ばしています。また、「〇〇さんちのみかん」といったように、生産者の顔が見える形で商品を販売し、お客様に親近感や安心感を覚えていただき購入いただくこともあります。

広い接点での認知施策とニーズにあった商品ラインナップで新規顧客を拡大

――JAタウンの新規顧客を増やすために取り組んでいるプロモーションについて教えてください。

奥薗:お客様を増やすためには、まずJAタウンを知ってもらうことが重要だと考えています。そのために、様々な接点で認知拡大施策を実施しています。

 たとえばJA全農グループのYouTubeチャンネル「ゆるふわちゃんねる」では、JAタウンオフィシャルサポーターの秋元真夏さんがJAタウンの商品を通じて日本の食と農の魅力をお届けする番組「ゆるふわたいむ」を配信しています。この他にも、JAタウンの魅力を伝えるYouTube番組を複数展開しています。

 また、2025年2月には各地の商品を紹介するテレビCMも出稿するなど、マス媒体とデジタル媒体の両方でJAタウンの認知を広げています。さらに、JAグループ全体でもJAタウンを通じて、キャンペーンの実施や情報発信のプラットフォームとして活用いただいています。

――ECで購入してもらうために、サイト上並びに商品で工夫している点があれば教えてください。

池添:商品に関しては、「現地でしか買えない限定商品」を取り揃えていたりします。たとえば兵庫県産のスイートコーンは、地元では朝から行列ができるほど人気で、直売所ではすぐに売り切れてしまう商品です。それをJAタウンでも販売することで、全国のお客様にお届けしています。

人気商品のスイートコーン

 また、贈答用が多いという話をしましたが、ご自宅用の需要に対応した商品もございます。たとえば、みかん一つとっても、贈答用の綺麗な箱に入った高ランクのものから、ご家庭用に「訳あり」として少し傷のあるものを用意するなど、幅広いニーズにお応えできるよう工夫しています。

奥薗:サイト上の工夫の1つに「産地応援」の訴求があります。2025年は、和歌山県の青梅がひょう害の影響で傷んでしまい、出荷する場所を失ってしまったことがありました。

 JAタウンでは、そうした被害があることの周知と産地応援を訴求する特設ページを開設して商品を販売しました。お客様に「応援消費」という形で商品を購入する機会を提供し、同時に生産者の方々にも貢献できることを目指しています。

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ショップ担当者の個性あふれるメールでリピートを加速

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