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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzineニュース

AWS、ノーコードで社内業務効率化に寄与する生成AIアシスタント「Amazon Q」の一般提供を開始

 Amazon Web Services,Inc.(以下、AWS)は、ソフトウェア開発の迅速化、社内データ活用を支援する生成AIアシスタント「Amazon Q」の一般提供を開始した。

 同ソリューションは、精度高いコード生成に加え、テストやデバッグ、複数ステップの計画や推論(reasoning)機能を備え、開発者のリクエストに応じて生成されるコードの変換(javaバージョンアップグレードの実行など)や新たなコードの実装が可能となっている。また、同ソリューションにより、エンタープライズデータリポジトリに接続することで、企業のポリシー、製品情報、業績、コードベース、人材など、様々な企業データに関する質問に対し容易な回答獲得や、データの論理的な要約、トレンドの解析、データに関する会話なども実現できる。

 さらに、AWSは社内データから生成AIアプリの構築が可能な新機能、「Amazon Q Apps」を発表。従業員が欲しいアプリについて自然言語で記述するだけで、求める業務を遂行するアプリをAmazon Q Appsが速やかに生成し、日常業務の簡素化、自動化ができるようになるという。

Amazon Q Developer

 Amazon Qはコーディング、テスト、アプリケーションのアップグレード、トラブルシューティング、セキュリティスキャンや修正の実行、AWSリソースの最適化といった、開発者やIT担当者のあらゆる業務を支援する。提供される生成AI機能は、次のとおり。

高精度なコーディングレコメンド機能

 コードのサジェスト(提案)やレコメンド(推奨)をほぼリアルタイムに生成することで、開発者による迅速かつ安全な構築を支援。Blackberry、BT Group、Toyotaといった企業がすでにAmazon Qを活用して開発者の生産性の向上、組織内のイノベーションの迅速化を実現している。

 カスタマイズ機能では、ユーザー企業の社内コードベースの安全な活用を実現し、より関連性と有用性の高いコードレコメンドを提供。ユーザー企業のコードを理解するエキスパートとして、関連性の高い適切な提案をおこない、さらなる時間短縮を実現するという。

 同ソリューションでは、完全にプライベートな環境でカスタマイズを実現するため、基本となる基盤モデル(FM)のトレーニングにデータは使用されない。そのため、知的財産を保護することができる。

Amazon Q Developer Agents

 エージェント機能を有し、機能の実装、記録、コードのリファクタリング、ソフトウェアアップグレードの実行など、幅広いタスクを自律的に遂行できるようになっている。

 開発者は、同ソリューションに実装したいアプリケーション機能(例:ソーシャル共有アプリ内に「お気に入りに追加」の機能を作成する)を指示するだけで、エージェントが既存のアプリケーションコードを解析してステップごとの実装計画を生成。開発者は、エージェントが実装する前に、エージェントと協力して計画を確認して反復的に更新し、複数のステップをつないでソースファイル、コードブロック、テストスイート全体に更新を適用することができる。

 また、ユーザー企業がアプリケーションのアップグレードに要する時間を月単位、あるいは年単位で削減できるよう、アップグレードプロセス全体の自動化や管理も実現。IDE(統合開発環境)において、同ソリューションにプロジェクトを「変換(transform)」するよう開発者が指示すれば、エージェントがアプリケーションのソースコードを解析。ターゲット言語やターゲットバージョンで新たなコードを生成し、テストを実行した上であらゆるコード変更を遂行する仕組みとなっている。なお、現在提供されているJava変換に加え、WindowsからLinuxへの移行を支援する.Net変換も、近い将来提供予定としている。

最高水準のセキュリティ脆弱性スキャンと修正機能

 検出困難なクレデンシャルの意図しない公開や、ログインジェクションといった脆弱性についてコードをスキャン。ワンクリックで同ソリューションがアプリケーションコードに適した修正案を自動的に提案し、開発者は修正を迅速に採用できるようになっている。

 同ソリューションのセキュリティスキャン機能は、一般的なプログラミング言語のほとんどにおいて、パブリックにベンチマーク可能な主要検出ツールを上回っており、開発者のアプリケーションのセキュリティとコード品質を大きく向上させるとのこと。

AWSエキスパートとして、ユーザー企業のAWS環境を最適化

 Amazon Q Developerは、AWSエキスパートとしてコンソール内でIT担当者によるクラウド環境の最適化、エラーやネットワーク問題の診断や解決、インスタンスの選択、SQLクエリやETLパイプラインの最適化を支援し、アーキテクチャのベストプラクティスに関するガイダンスを提供。

 さらにユーザー企業がクラウド環境を最適化できるよう、Amazon Q Developerには、ユーザー企業がAWSアカウントリソース、設定を一覧にし、請求に関する情報や傾向を解析できる新機能を加えている。これにより、容易なアカウント管理を実現する。

 同ソリューションの会話型インターフェースは必要に応じてAWSコンソール、Slack、Visual Studio CodeやJetBrainsといったIDEなど、必要な場所で利用でき、開発者は好きなソフトウェア開発ソリューション内で同ソリューションの会話型機能が利用可能となっている。

 なお、AWSは開発者がより様々な作業環境へと展開できるよう、DatadogおよびWizと新たなパートナー連携を拡大するほか、GitLab Duoとの統合により、AWSとGitLabの両方で統合されたインターフェースを両社のユーザー企業に提供することを発表した。開発者が信頼して利用する馴染み深いソリューションとAmazon Qの生成AI機能を統合することで、開発者はソフトウェアのより迅速なアップデートや作成が可能となる。

Amazon Q Business

 Amazon Q Businessは生成AIを活用し、企業システム内のデータや情報に基づいて、質問への回答・要約の提供、コンテンツの生成、タスクの安全な完了を実現できるアシスタントである。これを活用することで、従業員はデータに基づいた効率的な資料作成を実現できる。

多くのデータソースの統合を可能に

 Amazon Q Businessは、Wiki、イントラネット、Atlassian、Gmail、Microsoft Exchange、Salesforce、ServiceNow、Slack、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)など、一般的に使用されている40以上のビジネスツールに容易かつ安全に接続可能となっている。企業のデータ・リポジトリに同ソリューションを接続するだけで、すべてのデータの検索、論理的な要約、傾向分析、データに関するエンドユーザーとの対話を同ソリューションが担う。これにより、ビジネスユーザーは組織のどこにデータがあろうと、すべてのデータにアクセスできるようになる。

セキュリティとプライバシーを念頭に置いて構成

 Amazon Q Businessは、既存のID、ロール、アクセス権限をシームレスに統合し、セキュリティを維持しながら、個々のユーザーに合わせてやり取りをパーソナライズ。企業情報に基づいた正確な応答の生成や機密性の高いトピックやキーワードの制限、ブロック、不適切なコンテンツのフィルタリングを実現する。

アナリストは数分で詳細なダッシュボードを作成、ビジネスユーザーは迅速にインサイトを得られるように

 クラウド向けに構築されたAWSの統合ビジネスインテリジェンス(BI)サービスである「Amazon QuickSight」に、生成AI技術を提供。同サービスに連携することで、ビジネスアナリストは自然言語を使用してBIダッシュボードを数分で作成し、ビジュアルの作成や複雑な計算を実現する。

 また、AIを活用してダッシュボードでエグゼクティブサマリーの取得やダッシュボードに表示されていないデータについての質問、データストーリーの作成も可能に。たとえば、「リーダーシップとのビジネスレビュー用に、先月のビジネス動向に関するストーリーを作成してほしい」と依頼すれば、Amazon Qは数秒で特定のインサイト、補助的なビジュアル、ビジネスを向上させる特定のアイデアを含めたストーリーを創出。Amazon Qが作成したコンテンツを共有しやすい文書やプレゼンテーションにレイアウトし、テキスト、画像、テーマのカスタマイズも可能となっている。なお、Amazon Qを使用してさらなる文章の書き直しや改善もできる。

会話するだけですべての従業員が数秒で生成AIを活用したアプリを作成可能

 AWSは、Amazon Q Appsの新機能(プレビュー版)を発表。Amazon Q Appsを使用することで、従業員はコーディングの経験がなくても、会社のデータに基づいて生成AIを活用したアプリを容易かつ迅速に作成できる。

 同ソリューションを使用すれば、たとえば人事担当者は「会社の既存のベストプラクティスを活用している新入社員のためのオンボーディングプランを作成するアプリが欲しい」と説明したうえで、社員IDの入力フィールドを設けるようにすれば、各自の職務に特化した社内データソースを基に、オンボーディングプランのパーソナライズが可能となる。このアプリを社内の採用担当者と共有すれば、それぞれのチームに合わせてパーソナライズされたオンボーディングプランを作成できるため、ユーザー企業は企業情報に基づいたアプリ作成を容易に実現し、仕事の生産性向上が可能となる。

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