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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

LINE MALLウォッチ!

「LINEグループ購入」「LINEギフト」から考える LINEのプッシュ型コマース、期待と課題

CtoCと思いきやBtoCでも使えることになったLINE MALL。ECをどう変えるのか、ウォッチしていきます。第2回は、すでに走りだした「LINEグループ購入」「LINEギフト」2つのサービスから、LINEが挑戦するプッシュ型コマースについて考えます。

LINEのEC戦略は、「プッシュコマース」と「つながり」

 LINEの上級執行役員島村武志さんは、8月の戦略発表会で、経産省の報告書による「ECの浸透率3.11%」というデータを挙げ、「大いに改善の余地がある。今後この市場を伸ばすにあたり、LINEで何ができるのかを徹底的に考えた」と発言しました。

「日本における BtoC-EC 市場規模の推移」
平成23年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書
http://www.meti.go.jp/press/2012/08/20120828002/20120828002-4.pdf

 島村さんによれば、「どうしてこうなっているかを分析すると今のECの姿が見えてくる。ECの現状は、商品の検索を経て購入に至る『Pull Commerce』である。一方、LINEが掲げるECの新しいコンセプトは『Push Commerce』。つまり商品を購入する際の気づき、関心を直接ユーザーに与えて購入を促すスタイルのECを実現する」と言います。

 さらに「BtoCの商取引全体から見ると、まだほんのわずかに過ぎないこの3%強を競合と奪い合うのではなく、LINEが狙うのは、EC市場全体の拡大で得られるその先の市場であり、その際の武器となるのが、『LINEコミュニケーション』で培った人と人との“つながり”である」と戦略を明確にしています。

買うために集うのではなく、すでにあるグループが購入する強み

 LINEによるコミュニケーションを活かした「つながりによる消費」は、言い換えれば「巻き込み力による消費」と言えます。他社でも、既存サービスにおいてグループ購入やギフトサービスは存在していました。しかし、そのほとんどがうまくいっていません。あの楽天でさえ、共同購入は撤退したほどです。

 そんな状況の中、今なぜLINEが共同購入やギフトに参入したのかといえば、LINEの機能にはグループ機能があり、すでに多数のグループが動いているからです。そのグループの仲間にお店がセールスするのではなく「一緒にどう?」と友だちがPushし、勧められ、さらに自分も買うことで商品代金が安くなる(=自分が買わないと高くなる)というような仕組みを提供できます。こんな強みは他にありません。

 さらに強力なのはギフト機能です。グループ購入では自分が欲しくなければ購入しなくてすみました。ギフト購入は友達へ「共同で」ギフトを贈ることが目的です。本来、お祝いやお礼など「想いをこめて」贈るものですが、「仲間内でのお付き合い」の側面もありますから、中には「賛同せざるを得ない人」も出てくるかもしれません。これまで比較的低単価だったMALLですが、贈り物・ギフトのグループ購入機能の充実で単価の上昇が期待されます。今後ギフトによるショップのMALL参入が増えれば、品揃えはますます豊富になり、華やかさも増すことでしょう。

 これまでもプッシュ型コマースとしては、メルマガでショップやモールから商品の案内、LINEでもLINEセールのお知らせなどをPUSHで通知していました。それを強化する「つながりによる消費」の第一弾が8月から始まっている「グループ購入」、そして第2弾が11月から始まった「LINEギフト」となります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

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この記事の著者

松浦 法子(マツウラ ノリコ)

ソーシャルメディアコンサルタント。Web戦略「ARTS&WEB株式会社」代表取締役。SEO対策・LPO対策を中心に集客できるスマートフォン対応型Web制作やコンサルティング、講演活動も行う。著書に『小さなお店のLINE@集客・販促ガイド』(翔泳社)など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/1480 2014/12/12 08:00

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