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季刊ECzine vol.02 定点観測

2強時代とお祭り騒ぎの終焉 中国への越境ECが堅実なビジネスへ


 ECにかかわるプラットフォーマーの動向や、ユーザーを引きつけるキャンペーン施策、 クリエイティブ活用などについて、四半期に一度、各分野のプロにポイントを聞く「定点観測」。今季は、Googleの影響の大きさ、動画活用の進行、LINEとの連携、新しい決済の台頭が目立った。自社に関連するポイントをおさえ、来る年末商戦に備えよう(※本記事は、2017年9月25日刊行の『季刊ECzine vol.02』に掲載したものです)。

中国への越境EC、2強時代の終焉 迫るダブルイレブン

 中国向けの越境EC、大きな変化はプラットフォーマーの選択肢が増えたことだとらむねさんは言う。

「これまで、天猫国際とJD Worldwideの2強だったところに、ネットイース社が運営する『kaola』が台頭して、非常に調子が良いと聞いています。ほかにも『RED』や『ワンドウ』なども存在感を増して、2強時代がそろそろ終わりかなと感じ、良かったなと思っています。出店先が少ないと、どうしてもプラットフォーマー側の事情に左右されがちですから」

 中国への越境ECといえば、11月11日に開催される大規模セール、通称ダブルイレブンが近づいている。アリババだけで、1日の流通総額が2兆円(2016年は1,207億元)に迫るお祭りだ。2016年、国別の流通総額では日本が1位の座に輝いた。

 特徴的なのは、ダブルイレブン当日までに事前予約を受け付けること。当日はすでに、目玉商品が予約段階で完売していることも少なくない。在庫の準備は夏から、計画は1年ほど前から練られている。

 「2016年のダブルイレブンにおいて、日本企業は売れたところとそうでないところの差が、はっきりと出てしまいました。成功例のひとつユニ・チャームさんは、社長自ら記者会見を行い、現地で人気の育メンタレントさんも連れて大々的に事前プロモーションを実施したこと。ミキハウストレードさんは、前年に成功した靴に加えて、オトクな福袋を販売して成功されました。福袋は今年もやるでしょうし、予約段階で完売するのではと見ています」

 どちらも、メーカー自ら販売しているのが共通点だ。

 「オトクなことは大事ですが、とにかく値段を下げるよりは、その日、そこでしか買えない商品を企画することが重要だと考えています」

 なお、ダブルイレブンはアリババが注目されがちだが、中国全体が盛り上がるショッピングの日となっている。日本で言うところの、Amazonプライムデーに楽天市場やYahoo!ショッピングの売上も伸びるのと同様の傾向だ。台頭してきているほかのプラットフォーマーの動向も見逃せないところだ。

 2016年のダブルイレブンで売れたものとしては、おむつや子ども服など、ベビー用品関連が目立った。以前は、爆買いで家電や化粧品が売れていたが、今、中国で売れるものはどういったものだろうか。

「実際に中国へ行った人から聞いた話ですが、街行く中国の女性を見ると、ファンデーションを塗らない、ストッキングを履かない人が多かったところ、北京や上海で塗っている人、履いている人が増えてきている。そういった欧米化を取り入れ、ファッションや美容にかけるお金が増えているとのことです」

 もうひとつ、日本製品は安心・安全であることが評価されていると言われていたが。

 「オーガニックへの関心が高まっています。そういった商材を取り扱っているなら、ぜひきちんとアピールすべきだと思います」

 加えて、お国柄が出るところとしては商品そのもののサイズ感。日本が不利なところだ。

「ナッツやサプリメントなど、大きな壺にぎっしり入ったものが好まれます。セールなら、なおさらですよね」

 とはいえ、昨年と比較してさらに大きく売上が伸びるのかというと、そこは疑問だとらむねさんは言う。

 「2017年は、昨年からショートはしないでしょうが、驚くほど伸びるということもないと見ています」

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