博報堂DYホールディングスは、高品質な3Dアバターを高速に生成する技術を持つ、VRCと3Dアバター技術利活用の共同研究契約を締結。その第一弾として、VRCが保有する3Dアバターを用いて、次世代ファッション購入体験の価値検証に向けた共同研究を開始する。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、実空間におけるイベント開催や店舗への集客が難しくなる中、代替策としてバーチャル空間の活用が急速に進んでいる。店頭モニターで遠隔地からアバターを通じて接客を行うなど、ビジネスへの応用も見られるようになった。同社は、アバターを活用したバーチャル空間ならではの新たな体験サービスが、今後一層広がりを見せていくと考えている。
2社が開始する共同研究の第一弾は、VRCの3Dアバター生成技術、及びバーチャル試着技術を用いて行われる。3Dスキャナやスマートフォン用アプリで生成した生活者自身の3Dアバターに、別途3Dデータで用意した服を着せることができる。アバターの動きに応じた服のシワや揺れをバーチャル上に再現することで、着用感やサイズ感、自身に似合っているかどうかの確認が可能となる、とのこと。
生活者が自身のアバターを持つようになれば、まずはアバターに着用させてみることで、店舗での実試着へのハードルが下がる。また、ECにおいても購入時の失敗が低減することで、より自分の望む買い物体験が可能になる、と同社では考察している。
また、バーチャル試着された衣服の人気動向が計測可能となるため、バーチャルで服をリリースし、人気を見てリアル生産に移す、というようなニーズをとらえた生産量コントロールが実行可能となる。同社は、こうすることで製造コストや廃棄量の減少にもつながり、持続可能なファッションビジネスの実現にも貢献できると期待を示している。
2社はこれを皮切りに、3Dアバター技術の活用についての価値検証を重ね、生活者の次世代体験創出に向けた研究を進めていく方針。
