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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2021 Spring レポート(AD)

全社巻き込み型でデータドリブンなCSを実現 メルカリのKARAKURI chatbot活用術とは

問い合わせ傾向をキャッチし「攻めのCS」を実現 導入の効果とは

 続いて、カラクリの小田氏が「チャットボット導入の背景」を平野氏に聞いた。

「メルカリを利用するお客さまが増えると同時に組織も大きくなりましたが、有人対応だけでは限界があると感じていました。お客さまをお待たせしないためにも、24時間対応ができる機能が欲しいというニーズが社内に強くあったのです」(平野氏)

 KARAKURI chatbotを選んだ理由については、「チャットボットに限らず、カスタマーサービスの分野で、幅広くAIや技術を活用しており、知見や実績がある点を評価した」と続けた。

株式会社メルカリ CS Technical Program Management Manager 平野友規氏

「KARAKURI chatbot導入により、当初狙っていた24時間の対応はもちろんのこと、お客さまから寄せられる声を効率的に集めることができるようになりました。それを、チャットボットだけでなく他チャネルの改善に活かすことができた点もよかったと思っています」(平野氏)

 導入からおよそ2年、社内でチャットボットの存在価値を高める道のりは決して順風満帆ではなかったと言う。小田氏が導入当初のチャットボットへの評価について聞いたところ、平野氏は「運用にかかわるメンバーはチャットボットがお客さまに対してどう働きかけ、貢献しているのかきちんと見えていたが、最初は社内であまり存在を知られていなかった」と語った。しかし、平野氏をはじめとするCS Technical Program Managementの働きかけにより、「ここ1年で「チャットボットがよい仕事をしていると認められるようになってきた」と続ける。

 チャットボットを導入したが、社内やカスタマーからの評価を得ることが難しいと悩みを抱える担当者もいるだろう。ここで導入当初と比べ、評価が上がった理由について小田氏が尋ね、平野氏はふたつの理由を挙げた。

 ひとつは、KPIを設定して取得したチャットボットのデータを社内で毎週報告するようになったことだ。積極的に情報共有をし、チャットボットが顧客に貢献していることを周知させたと言う。そして、もうひとつは「トレンドアラート」機能の実装である。同機能は、KARAKURI chatbotのオプション機能となっており、大量の問い合わせ、不満、クレームをAIがリアルタイムで分析し、顧客の声の変化を迅速に察知するものとなっている。

「チャットボットに寄せられる数万件の問い合わせをリアルタイムで解析して、増加しているキーワードや平常時と異なる動きを検知し、社内に共有する仕組みを導入しました。たとえば、『今こういったホットなトレンドがあるから、その件についてお問い合わせが来るかもしれない』と有人対応チームに連携したり、『アプリに関する問い合わせが増えているから障害が起きている可能性がある』と障害対応のチームに話をしたり、トレンドアラートを使うことでチャットボットの存在感が出てきたと感じています」(平野氏)

 トレンドアラートは、24時間集積される大量のデータを解析する、AIの強みを活かした機能だ。小田氏は「トレンドアラートでキャッチした情報を他部門の方々が興味深くウォッチしており、全社を巻き込んだカスタマーサポートが体現できている」とメルカリの取り組みを評価した。

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データドリブンな組織への変化 鍵はバランスの取りかたにあり

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この記事の著者

ササキミホ(ササキミホ)

編集者/ライター。Webメディアの編集者を経て、事業会社でWebディレクターとして働きながら、Webマーケティング分野の媒体で編集/執筆に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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