記事種別

日本女性が異国で立ち上げたブランド「nomadic artisan」に学ぶ 顧客とのつながりかた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

 「アンバサダー(Ambassador)」という言葉は一般的に「大使」と訳され、日本では芸能人などがブランド大使に任命される時に使われることが多いようです。一方、SNSの普及により個人がより簡単に情報を発信できるようになり、自分の好きな企業やブランドについて発言や推奨するだけでなく、他ユーザーへのサポートやブランドの擁護まで自ら行うファンの存在が注目されています。本連載では、ファンの力を活用して課題解決を行う「アンバサダー的アプローチ」についてお話しします。第19回は、「New Normalな時代にブランドが大切にすべきこと」についてです。

New Normal時代の顧客コミュニケーションを考える

 「New Normal」――最近よく耳にするようになった言葉。今後、多様化していく生活者のニーズに対して、企業やブランドはどのように応え、体験を提供し、価値を伝えていくのか、世界規模で変革が求められている。よりいっそうデジタル化が加速していくであろう中、そこに適応できるか否か、デジタルをうまく活用できるか否かが、今後の事業成長の鍵になることは間違いなく、ECへ舵を切ったことでコロナ禍においても成長し続ける企業のニュースを目にすることもあるはずだ。変革の中において変えるべきこと、変わらないこと、そして大切にすべきことは果たして何なのだろうか。

 前述した疑問に対する答えについて、著者の友人である瀧あゆみさんが世界放浪を5年続けた末、ケニア共和国にミシンとかばんひとつで降り立ったところから始まった、アフリカ布の1点物アパレルブランド「nomadic artisan(ノマディック・アルティザン)」を例にご紹介していきたいと思う。

 今回の記事を書く上で、ケニア在住の瀧さんとオンラインミーティングを行ったのだが、遠く離れた国とのやりとりとは思えないほど安定した会話ができ、まったくもって距離を感じることがなかった。改めて、文明の力のすごさを再認識する経験となった。

 瀧さんは元々レコード会社のプロモーターだったのだが、あることをきっかけに自分の生きかたについて考えた末に会社を辞めて、旅に出たと言う。5年間世界を旅する中で出会ったのがアフリカ布で、その魅力に引き込まれた彼女はブランドを立ち上げることになるわけだが、服飾については専門に学んでおらず、洋服を解体しながら独学で知識を会得したそうだ。

 ブランドローンチ当初は友人が応援し購入してくれたが、他方面からの反応はとくになく、一定の売上を立てたところで流れが止まってしまったが、ここからがスタートだと思い、活動を始めたと言う。

 ケニアでは、定期的にPOPUPが開催される文化があり、屋外デパートのようなイメージで有名ブランドの商品や普段購入できないような可愛い雑貨、服が並び、地元で人気を集めていると言う。nomadic artisanも「そこへの出店をきっかけに潮目が変わった」と瀧さんは述べていた。

 アフリカ布を使った洋服は数多くあるが、同ブランドはモダンデザインにこだわっている。その部分が訪れた方々の心を掴み、商機を得ることができたそうだ。マーケットのニーズを確認したことで、「ブランドとしての価値や自身がやろうとしていることへの自信を取り戻した」と瀧さんは言う。その後は、POPUPへの出店とオンラインでの販売を並行していくことでブランドを成長させている。当初はSNSの広告出稿なども試していたが、限られた予算を広告に投じるよりも、SNSを活用しファンとつながることに注力する道を選んだ瀧さんは、クチコミへの接触を重ねたことで、ブランドサイトヘの自然流入が生まれる手応えを感じたそうだ。

 SNSに発信した情報は、いつどのタイミングで誰が接触するかわからない。そのため、過去の投稿を再活用することも含め、投稿1つひとつへの反応(数値)以上に「とにかく継続して投稿し続けることが大事」と語っていたのも印象的だった。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

バックナンバー

連載:SNS時代に知っておきたい、アンバサダー的アプローチのススメ

もっと読む

2018年12月の人気記事ランキング

All contents copyright © 2013-2020 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5