Facebookの動画を例に見る ブランドパーパスに基づいたメッセージ発信の意義
「つながり」 というのは、本当に大切である。それは目には見えないが、たしかに 「感じる」 ことができ、それによって孤独感から救われるときもあるし、辛い状況下においても、前に進むための希望になるときだってあるかもしれない。今は広告も含む、ほとんどのコミュニケーション活動がストップもしくは停滞し、思考停止してしまいがちだが、心の「つながり」 という点を意識したコミュニケーションは、むしろ取るべきであり、笑顔や希望、勇気を与えてくれるようなコンテンツを人々が求めていることは間違いないだろう。しかしその際、ブランドパーパス(ブランドの存在意義)に基づいて、発信するメッセージを考えることが重要だ。
まずは、著者がつい先日、心を打たれたひとつの動画があるので、ご紹介したい。1分30分ほどの長さなので、ぜひ見ていただきたい。その際、音を出して視聴することをオススメする。
いかがだろうか。これは、Facebookが公開していた動画である。
著者は、「辛い状況下にあっても、心のつながりを大切にして、共に乗り越えていこう」という作り手の想いが伝わってきて、ただただ何度も繰り返し見た。心の琴線に触れるというのは、まさにこういうことなのであろう。この動画のおかげで、不安だらけの未来に少しだけ希望を持つことができた気がします。Thank you.
著者はもともと、Facebookを日頃からよく使っているわけだが、この動画を見て、作り手の想いに共感をしたことで、Facebookへの「心のつながり」は強まった気がしている。また、これを機に利用頻度(投稿や閲覧の頻度)も相まって高まるだろう。
Facebookが、全世界で25億人のユーザーがいる巨大なプラットフォームであるがゆえの立場から、ブランドパーパス(ブランドの存在意義)を示し、こういったメッセージを発することで、SNS上で共感をした人々によって動画が拡散され、今もどこかで誰かの心を救っているかもしれない。
実際、この動画の最後には以下のメッセージとともにリンクが出てくるのだが、動画を見た人はきっとリンク先へ訪問するだろうし、実際、著者も自然とそのような行動をたどった。
We're never lost if we can find each other
If you need help or can offer it
facebook.com/covidsupport
この動画は、直接的に自社の利益にはつながらないかもしれないが、少なくともブランドとしての存在意義は示せたはずであり、それに共感した人々がFacebookをアクティブに利用するようになることで、周囲にも態度変容が起き、最終的には同社のビジネスにつながっていくだろう。
そもそも、サイトヘ連れて来よう、どうやって購入させようという自社の利益だけを目的にした広告コミュニケーションでは、人の心は動かなくなってきている。また、これからはよりいっそう、そうなっていくのではないだろうか。もちろん、マーケティング活動においては、ビジネス貢献を意識するのは当然だが、そこに至るまでのプロセスにおいて、生活者にアクションをさせたいのであれば、まずはじめに共感を生み出す必要がある。今後はよりいっそう、「つながり」 というものが大切な要素になってくるはずだと著者は考えている。