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今こそ信じるべきはファンのチカラ 「Pay it forward」な取り組みが生むプラスの連鎖

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 「アンバサダー(Ambassador)」という言葉は一般的に「大使」と訳され、日本では芸能人などがブランド大使に任命される時に使われることが多いようです。一方、SNSの普及により個人がより簡単に情報を発信できるようになり、自分の好きな企業やブランドについて発言や推奨するだけでなく、他ユーザーへのサポートやブランドの擁護まで自ら行うファンの存在が注目されています。本連載では、ファンの力を活用して課題解決を行う「アンバサダー的アプローチ」についてお話しします。第14回は、「『Pay it forward』な取り組みの大切さ」についてです。

 苦しいときや、困難にぶつかったとき、皆さんは何を心に思うだろうか。少なからず、自分が好きなものや、好きなことに思いを募らせることがあるはずである。

 世の中に大きな変化が起き、当たり前だった日常が、ある日突然変化し、当たり前ではなくなった。そんなときこそ未来を思い描き、乗り切るべく心が求めるエネルギーのひとつが、「好き」という気持ちではないだろうか。きっと、自分の心の中にある何かに思いを馳せることで心が落ち着き、自分らしくいられるはず。そんなことを考えながら、今まさにこの原稿を書いている。

「好き」の気持ちは心を動かす大きな力になる

 著者もある時期から、ボルダリングジムへ行くことは控えていて、最近は自宅にある収納式プライベートボルダーウォール「ポータブル・ロック」や、懸垂ラックを使ってひたすらトレーニングしている日々だが、先日「全国クライミングジムでも新型コロナウイルスの影響大 約9割が売り上げや来客数減と回答」という記事を見たので、何か自分にできることがないものかと真剣に考えている。それは、著者にとっていつもお世話になっているジムが、単にボルダリングをするためのジムではなく、息子との思い出がつまった思い入れのある大切な場所なので、失いたくないという思いがあるからだ。

 記事を見ると、86ジムのうちの89.5%にあたる77ジムが、すでに売り上げや来客数に影響が出ていると回答している。今後心配する点としては、やはり「売り上げの減少」が94.2%と最も高く、次いで「自ジムからの感染発症」が88.4%、「行政による営業休止要請」が73.3%という結果になっていると言う。

 注目すべきは、「自ジムからの感染発症」の項目だ。これは視点を変えると、ジムに来てくれる顧客やファンのことを心配しているというジム側の気持ちの表れとも受け取れるのではないだろうか。

 この連載を読んでいるEC事業者においても、業績への影響や、マーケティング費の削減など、数ヵ月前とはまったく違った状況に置かれているケースも少なくないだろう。現状を打破するべく、自社のことを考える時間が増えるのもわかる。それはある意味、当然だ。

 しかし、楽しいときだけではなく、苦しいときにそばにいて助けてくれる存在こそ、本当の「友人」だと著者は思っている。ブランドにとってのファンもそうだが、ファンにとってのブランドもそういった存在であるべきであり、「お互いが支え合う」ような関係性を築いていくことが大切だ。

 だからこそ、今まさにファンへ寄り添うことが大切で、ブランドからファンへ「好き」の気持ちや感謝を伝えるとともに、ブランドパーパス(ブランドの存在意義)を示す意味でも、コミュニケーションをしてみるべきなのではないだろうか。置かれている現状は人によってさまざまだと思うので、もちろん、投げかけかたには最大限の配慮が必要であることは間違いないが、苦しいときに自分のことを考えてくれているというのは、素直に嬉しいはずだ。ファンはきっと喜んでくれるに違いない。

 それに加え、もしかしたら現状を打破するヒントをファンが与えてくれる可能性もある

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