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FABRIC TOKYOも取り組む「体験価値の可視化」 ブランド愛の強化に必要なこととは

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 「アンバサダー(Ambassador)」という言葉は一般的に「大使」と訳され、日本では芸能人などがブランド大使に任命される時に使われることが多いようです。一方、SNSの普及により個人がより簡単に情報を発信できるようになり、自分の好きな企業やブランドについて発言や推奨するだけでなく、他ユーザーへのサポートやブランドの擁護まで自ら行うファンの存在が注目されています。本連載では、ファンの力を活用して課題解決を行う「アンバサダー的アプローチ」についてお話しします。第12回では、既存顧客に提供する「体験価値」についてです。

顧客とコミュニケーションを取るうえで重要なのは「タイミング」

 皆さんが、顧客とコミュニケーションをするうえで、とくに意識していることはなんだろうか。

 コミュニケーションを取るうえでは、ビジネス・プライベートかかわらず、どのようなシーンにおいても、「タイミング」というのは非常に重要。しかし、タイミングとひとことで言っても、それは自分のタイミングなのか、相手が望むタイミングなのか。それによっても大きく異なるはず。そして、当然ながら「その瞬間」を見極めることができるかどうかで、成果は大きく変わる。

 著者が「THE NORTH FACE」というブランドを好んでいるのは、本連載をお読みいただいている皆さんには周知の事実だと思うが、ここでひとつの事例をご紹介しよう。

 ある日、THE NORTH FACEのアプリからプッシュ通知が届いた。内容としては、いたって普通の商品再入荷のお知らせだ。著者はプッシュ通知を基本OFFにするタイプなのだが、このアプリからの通知は許可している。理由は「情報が欲しいから」。

 通常であれば、「プッシュ通知が届く→通知内容をざっと見る」というステップを踏みながらも、興味のあるなしでその後詳細を見に行くかどうかが決まる。そして、気になる商品があれば「お気に入り」へ追加しつつ、在庫がある店舗を確認したうえで店舗へ赴き、実際に商品を見て、購入するか否かを判断するという流れになるわけだが、今回著者は、プッシュ通知をきっかけに購入へ至ったのである。

 これは単なる偶然ではなく、購入へ至るための必要な要素が揃っていたタイミングで「来るべきプッシュ通知がきた」という、絶妙なコミュニケーションによって生み出されたものだ。

 揃っていた要素は、以下の4つ。

1. この商品がウェブストア限定商品であるということ

 プッシュ通知で知らされた新商品は、多機能ながらシンプルなシルエットを持たせたミニマルデザインのライフスタイルパック。容量は21リットルと小ぶりだが、ビジネスシーンで使うにはこれくらいがちょうど良い。使い勝手などは、レビューやSNSでのクチコミで確認済であった。

2. 人とかぶり率の低いTHE NORTH FACEのバックパックを探していたということ

 街中を歩いていると、同じバックパックを背負っている人に出くわす機会が増加しているのが悩みだった。

3. 購入タイミングを逃し、売り切れ状態が続いていたということ

 昨年の初めごろに同商品が発売していたことは知っていて、購入を検討していたのだが、自分の予想よりも早く売り切れてしまった。秋冬の商品が出始めるころにも再販したらしいが、そこでもタイミングが合わず、気づいたときには売り切れ。その後も定期的にウェブストアをチェックしていた。

4. 通知が来た時間がたまたま空き時間で、すぐにアクションできたということ

 普段、通知が来るのは平日の昼間が多いので、大体その時間帯にリアルタイムで見ることができず、タイミングを逃してしまうことが多かった。しかし、今回通知が来た時間帯はちょうど移動時間だったので、その場ですぐに購入手続まで済ませることができた。

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