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既存顧客の声が新規顧客を招く? JINSも取り組むブランド成長のためのUGC活用法

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 「アンバサダー(Ambassador)」という言葉は一般的に「大使」と訳され、日本では芸能人などがブランド大使に任命される時に使われることが多いようです。一方、SNSの普及により個人がより簡単に情報を発信できるようになり、自分の好きな企業やブランドについて発言や推奨するだけでなく、他ユーザーへのサポートやブランドの擁護まで自ら行うファンの存在が注目されています。本連載では、ファンの力を活用して課題解決を行う「アンバサダー的アプローチ」についてお話しします。第10回では、新規顧客獲得のヒントと新規顧客を継続顧客化する方法をお伝えします。

 基本的には、顧客と顔を合わせることはなくビジネスを展開していることが多いECやウェブサービス事業者において、自社の顧客と直接会ったことがある人はどれくらいいるだろうか。また、顧客の声に耳を傾けている時間はどれくらいあるだろうか。日々、売上数値と向き合うなかで、新規顧客を獲得するということだけではなく、既存顧客のことを深く考えられている人はどれだけいるだろうか。そもそも、顧客の前に、ひとりの「人」としてその人のことを見て、理解しようとしているだろうか。

 新規顧客を獲得するためのヒントやビジネス拡大のアイデアは、既存顧客の声を傾聴することで見えてくることも大いにあるはず。自社の商品やサービスに興味を持ったきっかけは何だったのか、なぜ購入(利用)したいと思ってくれたのか、どういったところを好きでいてくれているのか、実際に商品やサービスを体験した人がオススメするポイントはどこなのか、新しくアイデアや改善すべき点はないだろうか。これらはすでに商品やサービスを手にしたり利用したりしてくれている人たちに聞くのが効果的だ。

 では、具体的にどのように既存顧客の声を聞くのが良いのだろうか。まずは、著者の体験をひとつご紹介しよう。

「どうやって購入させるか」ではなく、「どうすればもっと好きになってもらえるか」を考える

 著者が「THE NORTH FACE」を好きなことは、本連載の読者はすでにご存知であろう。THE NORTH FACEはスポーツアパレルメーカーであるGOLD WINが手掛けるブランドのひとつで、同ブランド以外にも数多くのブランドを扱っている。今日はそのなかの「NEUTRAL WORKS.(ニュートラルワークス)」というストアブランドについて、話をしようと思う。

 ある日、Facebookを眺めていたら、THE NORTH FACEとNEUTRALWORKS.のダブルネームで、セットアップとして着用できるテーラードジャケットとパンツが発売になるというニュースを目にした。「気になる、実物を見てみたい」と思い調べると、どうやらこの商品はNEUTRAL WORKS.の店舗のみでの限定発売とのこと。この情報を得て、後日初めてNEUTRAL WORKS.の店舗へ赴くことにした。

写真撮影:筆者

 皆さんも体験したことがあるかもしれないが、店舗で商品を見ているときに店舗スタッフに声をかけられた際、なんだか嫌な感じがするときと、そうではないときがないだろうか。

 著者の個人的な感覚だが、前者は商品についての会話を振られた際に感じることが多く、自分自身についての会話を振られた際には、自然と会話に発展しているケースが多いように感じている。これはつまり、直感的に「買わせようとしているな」と感じるか、そうでないかの違いなのではないだろうか。まず、「自分のことを知ろうとしてくれているな」と感じるほうが親近感も持てるし、信頼構築もできるので結果として購入へつながりやすい。少なくとも著者は、後者の接しかたをしてくれるスタッフのほうが気持ち良く買い物をすることができる。

 今回の場合、購入を検討している商品があったので店舗へ赴いたわけだが、そこでまた次に来店してもらうためには、商品のみならずお店やスタッフのことを好きになってもらえるかどうかは非常に大事と言えるだろう。もちろん、気になっていたセットアップは購入し、愛用している。

写真撮影:筆者

 この購入体験をきっかけにNEUTRAL WORKS.の商品も気になり、著者はたびたびこのブランドのウェブサイトをチェックするようになった。ウェブサイトを見ていると、実際の商品を見たくなるので、自然と店舗への来店頻度も高まる。そうするとスタッフさんにも覚えられ、さらに店舗に足を運びやすくなるというサイクルが生まれる。つまりは購入する・しないにかかわらず、日に日にこのブランドを好きになっていくということである。

 Thanks “T san”. Big surprise!

 購入させることが最終目的であっても、コミュニケーションの取りかたによってその成果は大きく変わるはずであり、このあたりはEC事業者においても意識してみると良い点ではないかと私は考えている。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



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