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横浜F・マリノスの取り組みから得る ビジネスにおけるファンのクチコミ活用法と効果計測の考えかた

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 「アンバサダー(Ambassador)」という言葉は一般的に「大使」と訳され、日本では芸能人などがブランド大使に任命される時に使われることが多いようです。一方、SNSの普及により個人がより簡単に情報を発信できるようになり、自分の好きな企業やブランドについて発言や推奨するだけでなく、他ユーザーへのサポートやブランドの擁護まで自ら行うファンの存在が注目されています。本連載では、ファンの力を活用して課題解決を行う「アンバサダー的アプローチ」についてお話しします。第9回では、横浜F・マリノスの取り組みを例に「ファンの力によるビジネス貢献」と、その証明の仕方についてお伝えします。

ファンと共創した取り組みで動員数約1万人アップ 横浜F・マリノスのアンバサダー施策

 昨今、さまざまなところで既存顧客の大切さやファン重視の考えかた、取り組み事例などが話題になっていることもあり、自社でもそういった取り組みを推進する必要性を感じている方々も多いだろう。一方、著者がそういった方々とお話をするなかで、「取り組みの効果や価値をどのように証明すれば良いのか」という点について、悩まれているケースも多くなってきているように感じる。たしかに、ソーシャルメディア・SNSを活用した取り組みにおける効果証明というのは永遠の課題というか、非常に難しいことはたしかである。

 効果証明の仕方や測定するべき指標は、商材によっても異なるとは思うが、マーケティング施策として実施する以上、当然のことながら「ビジネスへの貢献(売上を上げる)」が目的なわけなので、いかにしてそこに寄与できるか、もしくは関連性、相関性を示すことができるかがポイントになるだろう。

 まず、ひとつの取り組み事例をご紹介したい。「横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト」だ。

横浜F・マリノス 沸騰プロジェクト

 横浜F・マリノスでは、いわゆる「ゴール裏」と呼ばれる席で熱く激しく応援してくれるサポーター以外にも、デジタル上でクラブへの優良な口コミを広めたり、グッズを素早く購入して発信してくれたりするファンのことを「スーパーファン」と位置づけ、彼らとともにさまざまな施策を共創するプロジェクトを続けている。

 ファンを育てようとする一般的なブランドとは異なり、「既に存在している優良なファンをいかに顕在化していくか」という点で、プロサッカークラブの特異性が垣間見える。

 2019シーズンは、ゴールデンウィークに行われた鹿島アントラーズ戦に向けて、いかに盛り上げていくかというミーティングを複数回実施。

写真撮影:横浜沸騰プロジェクト 運営スタッフ

 ファンが考え出したアイディアとして、ファン・サポーターが投稿して盛り上げるSNSの企画や横浜F・マリノスのSNSでのコンテンツ企画などが生まれた。それらも影響し、昨年同時期同カードと比べて、1万人以上(2万7,348人→3万8,561人)もの集客アップを実現。なお、同試合の新規来場者率が8.7%と、その時点でシーズン最高値を記録し、その8割近くがクチコミやマリノスのSNSなどを起点に、来場動機を掘り起こされていた。

 沸騰プロジェクトではアイディアを出すにとどまらず、試合当日のコンテンツも手伝うことで、これまでクラブだけでは成し得なかったファンの新しい満足度を生み出した。

写真撮影:横浜沸騰プロジェクト 運営スタッフ

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