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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

どこまでもロジカルに EC・通販事業の全貌を徹底究明

ECで製品を企画するときのポイントとは?製品そのものに求められるふたつの要素

「客寄せ」商品と「継続本命」商品の役割

 単品リピート型のビジネスモデルに取り組む製品では、備えておくべきふたつの要素として「客寄せ」と「継続本命」があります。その役割は、競合と比較した際にも十分魅力的に設計することが大事です。

 「客寄せ」の役割は、広告で新規顧客獲得を行うフェイズで重要視されるもの。分かりやすく、切れ味のいい訴求ができる、いわゆる客寄せパンダとなれる表現力の強さが求められます。それに対して、「継続本命」の役割は、その製品やパフォーマンスへの高い満足感と収益性の両立にあります。

 ふたつの要素をひとつの製品が兼ね備えていればシンプルですが、最初からその役割を分担して違う製品を組み合わせることにより、ビジネスモデルを考えられているケースも存在します。どちらを取るか、最初の段階で戦略的に考えておく必要があります。

 たとえば、リキッドファンデーションでのケースを考えてみましょう。この製品は長年多く広告出稿を行い、積極的にメディアに露出しています。独自の優位性がある「客寄せ」的な表現力の強さを備えており、新規獲得も好調。トライアル後も多くのリピートを誇っています。ところがこの製品だけで、単品のリピートビジネスが成立するのかといえば、答えは「NO」です。 

 この製品価格は4,000円程度、内容量は3ヵ月分相当なのですが、実際のリピート間隔はそれよりも長く、実に倍近くの期間になっていました。つまり、いくら客寄せの力があり、その後多くの顧客がリピート化しても、その頻度は1年に1~2回しか発生しないということです。

 ではどのようにビジネスモデルを成立させているのかと言えば、本製品と非常に相性のよいクロスセル品を「継続本命」として最初から設定しています。この商品の場合は、使用した際の潤い実感が高い点を評価されることが多いので、同じく肌の潤いを大事に製品設計されているスキンケアを一緒に使うことを、継続販促のひとつの柱にしています。これらのクロスセル製品が「継続本命」の役割を果たし、収益構造を支えることでビジネスが成立するのです。

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事例から見るクロスセルのポイント

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この記事の著者

株式会社プランクトンR 取締役 通販支援事業部長 川部 篤史(カワベ アツシ)

株式会社プランクトンR 取締役 通販支援事業部長 川部 篤史。事業全体を俯瞰しつつ、豊富な知見に裏打ちされた、EC/通販事業での事業構築&製品マーケティング戦略立案・実行を得意とする。AI/オートメーションの活用や、中国越境ECにも明るい。現歴以前は、株式会社JIMOSで通販支援事業部長及びホールセ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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