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延長保証サービス市場、今後はウェアラブル端末の出荷台数増加でサービス加入者増に期待/矢野経研調査

 矢野経済研究所は、国内のワランティ(延長保証)サービス市場を調査し、市場規模、カテゴリ・業種別の市場動向、将来展望を明らかにした。

市場概況

 国内におけるワランティサービスは1990年代半ばに導入されたが、本格的に普及し始めたのは2000年代に入り、大手カメラ系量販店が自社のポイントサービスに延長保証サービスを付帯し始めて以降である。ポイントサービスの利用により消費者の経済的な負担が生じなかったことに加え、従来は修理保証が適用されにくかった商品(カメラ、レンズ、ゲーム機、パソコンなど)も対象になったことも追い風となった。

 その後、自動車ディーラーにおいても導入が進んだ。特にメンテナンス費用が高額になりがちな輸入車を中心に、消費者の不安を取り除くソリューションとして定着した。

 携帯電話では、第三世代携帯電話サービス(3G)の拡大と販売奨励金の見直しにともなう端末価格の上昇に併せて導入が進み、その後さまざまな製品・サービスに導入が進んだ。

 ワランティサービスは消費者保護の観点から有効なだけでなく、サービスを提供するメーカー、販売店にとっても顧客との接点ができ、サービスの品質向上、顧客満足度の向上に大きな効果があり、マーケティングツールとしても導入する企業が増加している。

 2021年の国内ワランティ(延長保証)サービス市場規模(事業者売上高ベース)は1兆5,557億円と推計した。カテゴリ別にみると、通信・IT機器が7,937億円、家電・住設機器5,590億円、自動車1,707億円、そのほかが323億円であった。

注目トピック

成長が見込まれるウェアラブル端末向けワランティサービス

 ここ数年、ワランティサービスが成長を遂げた市場としてウェアラブル端末が挙げられる。なかでもスマートウォッチは、消費者の健康志向の高まりとアウトドア需要の拡大により、年々出荷台数が増加しており、ワランティサービスの加入数、金額ともに増加が続いている。今後はVR、メタバース市場の拡大を背景にXR(VR/AR/MR)向けのヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスの出荷台数増加により、サービス加入者増が期待されている。

将来展望

 国内のワランティサービス市場はすでに成熟した市場として確立しており、新規開拓の余地はあまり残されていない。また、現在、ドル高・円安、原油高、原材料価格高騰が消費者の生活に影響を及ぼしており、今後耐久消費財の販売動向について不透明さが増しているため、ワランティサービスの大幅な市場拡大は期待できない。

 一方で、サービスの販路別で見ると、ECサイトや小規模小売店には開拓余地が残されている。また、ワランティサービスの成約率アップの余地はあり、消費者へのサービス加入メリットの周知、販売店教育およびモチベーション向上などのさらなる取り組みが求められる。

 そのなかにあって、移動体通信については大手通信事業者2社の3G停波、5Gの普及、IoT(モノのネット接続)などにより、契約数の安定した増加が期待できる。さらに端末購入時における割賦購入の増加にともない、端末の定期的な買い替えが促されることもあり、「端末補償サービス」の加入数および金額の増加が見込まれる。

 通信・IT機器カテゴリの成長を要因として、2025年の国内ワランティサービス市場規模は1兆5,491億円、2030年には1兆7,693億円まで拡大を予測する。

調査概要
  • 調査期間:2021年12月~2022年8月
  • 調査対象:コンシューマ(一般消費者)向け製品のワランティサービス会社、住宅販売会社、住設機器メーカー、住宅リフォーム会社、自動車ディーラー、中古車販売店、携帯電話販売店、家電量販店、ホームセンターほか
  • 調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、技術・サービス動向セミナー取材、ならびに文献調査併用

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