SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

EC関連企業の財務状況をきまぐれにチェック

リアル小売も参戦!ネット通販戦国時代にワークマンが示した「店舗受取」による利益確保の勝ち筋


 東急ハンズもグループに加わるワーキングウエア・作業用品販売のワークマンは、ネット通販で「自社店舗受取」に大きく舵を切った。宅配に代わる新たな潮流になるのだろうか?

実店舗発企業のファストリ、ニトリもネット販売額を拡大!

 ネット通販・ECの拡大については、いまさら説明が不要だろう。量販店など実店舗にとっても、EC市場は主戦場になって久しい。

 国内BtoC市場(消費者向け電子商取引)規模は19.3 兆円。コロナ禍の影響で旅行などサービス系分野が落込んでいるものの、物販系分野の市場規模は拡大の一途である。「衣類・服装雑貨等」は2兆2,203 億円(EC化率19%)、「生活雑貨、家具、インテリア」は2兆1,322 億円(同26%)だった(経済産業省発表、20年数値)。

 スーパーとコンビニを合わせた市場規模(合計23兆円強)に並ぶ勢いで拡大しているわけだが、大きな影響力を発揮しているのがアマゾン・ドット・コムだ。日本語による通販サイトを開設した2000年、同社の年間売上規模は27.61億ドルにすぎず、損益は14.11億ドルの最終赤字だった。それが20年余で売上高は150倍に迫る3,860億ドルに達し、最終利益も213億ドルを計上するまでになった(20年12月期決算)

 当初は「ネット書店」にすぎなかったが、取扱商品を拡大し確固たる地位を築き上げてきた。売上高ベースでいえば、実店舗世界トップのウォルマートの5,591億ドル(21年1月期)に迫る勢いである。

 実店舗側は市場が拡大するネット通販への対応として、集客力で強みを発揮するアマゾンはもとより「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」などへ相次いで出店。国内のアパレル関連企業にとっては、ヤフーとグループを組むようになったファッション通販サイト「ZOZOTOWN」での販売も欠かせないものになっている。

 「ユニクロ」のファーストリテイリング、家具販売のニトリホールディングス(HD)、衣料品販売のユナイテッドアローズのEC売上高とEC比率(表①)を確認しておこう。

 ファーストリテイリングやニトリHDは、業界トップにふさわしくネット通販による販売額を拡大。ファーストリテイリングは世界規模では3,800億円(EC化比率約18%)まで伸長しているとしている。ユナイテッドアローズは、店舗売上高が低迷していることもあるがEC比率をアップ、販売の4分の1はオンラインショップによるものだ。

主な量販店のEC売上高とEC比率(表①)

 ネット通販の最大のネックは物流である。宅配をベースにするかぎり、配達料金を含めて主導権はアマゾンや楽天市場などプラットフォーム側にある。そうした流れの中で独自路線、「店舗在庫による店舗受取通販」(BOPIS)を打ち出したのがワークマンだ。

次のページ
ネット通販企業に打ち克つ ワークマンの「クリック&コレクト」

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
EC関連企業の財務状況をきまぐれにチェック連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ビジネスリサーチ・ジャパン(ビジネスリサーチ・ジャパン)

1995年設立。代表・鎌田正文。週刊誌や月刊誌、経済誌などを中心に、金融・流通・サービス・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材・執筆。著者に『図解! 業界地図 2023年版』(プレジデント社)、『図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本 2012年版』(新人物往来社)、『図解 人気外食店の利益の出し方』(講談社+α文庫)、『[図解]儲けの秘密がよくわかる本』(PHP研究所)、『[図解]気になるあの会社の給料がわかる本』(PHP研究所)『取締役の値段 6: 社会インフラ関連業界 [Kindle版] 』『数字でわかる! あの企業・店舗が儲けている仕組み』など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/10867 2022/01/24 19:35

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング