前回の記事はこちら
マーケティングの基本は「顧客目線」
1. 顧客は「最高の商品」ではなく、「わかりやすい商品」を購入すると理解する
良い商品を作れば売れる。これは、多くのオンラインショップオーナーが陥る落とし穴です。もちろん、製品の品質を高めていく努力は必要ですが、それと同じくらい重要なのが「どう伝えるか」です。
商品購入の決め手は「品質」や「デザイン」と思われがちですが、どんな商品を購入するときでも人は無意識に「自分の人生にどう役立つか」を考えています。たとえば、洗剤の場合は「今の洗剤よりラクに汚れが落ちそうだ。掃除の時間短縮になるだろうか」、野菜の場合は「オーガニックで高いけれど味が良さそう。もっとサラダをおいしく食べられそうだ」、洋服の場合は「デザインも着やすさも問題ない。これを着ていけば、来週の商談が成功しそう」などといった具合です。
さらに、人は「どう役立つか」をわかりやすく教えてくれた人やお店から、商品を購入する傾向にあります。多くのオンラインショップは、こうしたポイントを十分に語らずに「伝えたつもり」「伝わっただろう」と判断してしまっているがゆえに、数字につながらないのです。
マーケティングは常に、「顧客の人生をより良くする視点」で考えましょう。
2. 新しい顧客はマーケットに隠れていない。「既存客の隣」にいるもの
あなたはオンラインショップの売上を増やすため、「顧客層を拡大したい」「もっと幅広い客層に買ってもらう方法はないか」と、考えていませんか?
確かに、売上を増やすには顧客の数を増やす必要があります。しかし、やみくもに客層を広げようとするのはNGです。なぜなら、客層は一気に広がるものではないからです。
たとえば、日常的に家事をする40代女性に向けて開発した商品を、週に数えるほどしか自炊しない20代女性に売るのは難しいですよね。客層を広げる際には今いる顧客を軸とし、そこからじわじわと時間をかけて拡大していくようにしましょう。
新たな顧客は「既存客の隣」にいます。SNSで発信する際も、まずは既存客や現在のターゲットに向けて発信をし、そこから徐々に幅を広げるように心がけてみてください。
3. フロント商品とバックエンド商品には、必ず「つながり」を持たせる
「フロント商品」とは、集客を目的とした気軽に買ってもらえる商品を指します。対する「バックエンド商品」は、フロント商品購入後に販売する「オンラインショップの本命商品」です。通常、バックエンド商品はフロント商品よりも高額で利益率が高いものを設定します。わかりやすい例を挙げると、コスメであれば「お試しセット」をフロント商品に、「シリーズセット」や「定期通販」をバックエンド商品とする、といった具合です。
ここでお伝えしたいポイントは、フロント商品とバックエンド商品に必ず一貫性を持たせることです。「フロント商品を手に取った顧客が、次に何を手にしたくなるか?」といった視点から、商品設計を考えましょう。たとえば「3日分のお試しコーヒーセット」をフロント商品にするのであれば、お試しコーヒーセットと同種の「コーヒーセット1ヵ月分」や「大容量セット」をバックエンド商品として販売し、レコメンドなどにも活用します。ここでコーヒーカップやお菓子を勧めても継続購入は期待できないため、注意が必要です。