物流代行業者を選ぶ際、もっともわかりやすい比較ポイントは「コストの安さ」ですよね。しかし前回お伝えしたとおり、目に見える物流コストの削減だけに重きを置くのは得策ではありません。「コストの安さ」のみに着目すると、損をしてしまうことがあります。
「EC物流を改善したい」と考えている事業者も、卸売業者から商品を仕入れてAmazonなどで販売したい人、自社ECや実店舗へ自社商品を展開していきたい人など、一様ではないからです。それぞれに適した物流代行があるのです。
今回は、「公式サイトだけを見てもどの物流代行業者を選べば良いかわからない」と悩んでいる事業者に向けて、物流会社に勤めていた経験とライター活動を通して感じた各業者の違いを紹介します。
物流代行は得手不得手に違いあり!
ここでは、物流代行業者を大きく「フルフィルメント」「3PL」「運送会社系フルフィルメント」の3つに分類してみます。
- フルフィルメント:コールセンター業務や決済などEC業務を幅広く請け負う
- 3PL:物流業務の細やかな対応を直接相談できる、全国に拠点を持っている
- 運送会社系フルフィルメント:運送会社がスピードを重視して荷物を配送する
フルフィルメントと3PLはほとんど同じ意味合いを持っているため、一概に区別することができず、混乱しやすい用語です。私の経験上、古参である3PLはBtoB領域(対企業)を顧客としてきた側面が大きい一方、フルフィルメントはBtoC領域(対個人)特化というニュアンスが強いように感じます。とはいえ、3PLだからこそ得意とする業務もあるため、選択肢には残すべきです。
得意な部分が秀でている反面、対応範囲が狭い物流代行業者もあるでしょう。実際、とある業者からは、「オムニチャネル対応はできなくはないが、得意としてはいない」という声を聞いたこともあります。何を強みとする業者に頼むのか、目的によって検討してみてください。